前編の続きです。
3月は起こってからほぼ毎日イヴェントが起こっていたけれど、4月に入ってからは検証とか発表とかそういったものが気になってくる時期。4月以降、5月中旬までに書いた記事を列挙すると、
「NHK BS1、ようやく震災シフトから戻る」(2011年4月1日)
「都内の環境放射線測定値、11日ぶりに0.1μGy/hを切る」(2011年4月1日)
「放射性物質の分析結果解析プログラムに誤り というニュースを聞いて」(2011年4月1日)
「『いい加減な「原発安全審査」進めた御用学者5人』とされる記事を見て」(2011年4月4日)
「放射性物質垂れ流しを容認する我が国政府の対応に呆れる、批判の自粛は政府の思い上がりにつながる」(2011年4月5日)
「ホントに止まったの? 福島第一原発2号機取水口付近からの高レベル放射能汚染水」(2011年4月6日)
「ようやく公開された 気象庁の放射性物質拡散予測資料」(2011年4月6日)
「フランスIRSNが公表した福島第一原発事故による海洋汚染影響予測図」(2011年4月6日)
「東日本大震災や原発事故関連のデマ自主規制を求めるのなら、政府はまず隗より始めよ!」(2011年4月7日)
「被害者から加害者へ、やっかいな国 NIPPON」(2011年4月8日)
「都内の環境放射線測定値、今日の降雨によって再上昇するか?」(2011年4月9日)
「「水に流す」で済む国民とそうでない諸外国」(2011年4月10日)
「都内の上水道中に含まれる放射能調査結果を確認する」(2011年4月10日)
「福島第一原発事故はレベル7。今日の原子力安全・保安院の会見に刮目」(2011年4月12日)
「仏IRSNが公表した福島第一原発事故による年間被曝量推定マップ」(2011年4月12日)
「内閣総理大臣と東京電力社長、どちらが先に職を辞すべきか」(2011年4月14日)
「起こる前の予測(予知)ではなく起こってからの迅速な影響予測をお願いします」(2011年4月16日)
「首相官邸発、原子力災害専門家グループからのコメントを憂う」(2012年4月17日)
「都内の環境放射線測定値推移から読めるもの」(2012年4月17日)
「東京電力が公表した「福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」を読む」(2012年4月17日)
「都内の降下物(塵や雨)の放射能調査結果を見る」(2012年4月19日)
「メキシコ湾原油流出事故発生から一年、そして原発事故報道を考える」(2011年4月20日)
「福島第一原発事故と同レベルの原発事故が中国や韓国で起こったら…」(2011年4月21日)
「続・都内の上水道中に含まれる放射能調査結果を確認する」(2011年4月23日)
「福島第一原発事故で、どれほどの放射能が放出されたのか」(2011年4月24日)
「内閣総理大臣と東京電力社長とみずほ銀行頭取、職を辞す気のない裸の王様は誰か」(2011年4月25日)
「菅政権の福島原発事故 場当たり的対応、ここに極まれり」(2011年4月30日)
「今、ようやく明かされる 福島第一原発事故の放射能影響予測図」(2011年5月4日)
「人気取りに走った菅首相、こいつは末世独裁者か?」(2011年5月6日)
「菅首相の恫喝に中部電力屈する」(2011年5月9日)
「今さら・の・メルトダウン・公式発表」(2011年5月13日)
「東京電力、解体すべし」(2011年5月17日)
といった感じで、おおざっぱに言えば昨年4月中旬までが山場でそれ以降はかなり少なくなっている。思い起こせば、この頃になると様々なメディア(特にNHK)がまともな報道をするようになり、素人が追いかけていかなくてももう情報発信については何ら問題がないだろうと考えたからである。一人の力では大したことはできないが、発信することが大事だろうとしてきたわけで、大手マスメディアがきちんと丁寧に発信すればそこまでする必要もない。もっとも、実際に当時の記事の流れを追っていくと、PlayStation Networkが攻撃を受けて長期間接続できなくなるなど新たな問題が発生してきたことや、原発問題ばかりで私自身書くのが辛くなってきていたのか、違う話題を書いていきたいというのもあったと思う。
ここまであげてきた記事でもっとも注目されたと思われるのが「フランスIRSNが公表した福島第一原発事故による海洋汚染影響予測図」で、原発事故発生後、原発大国フランスのマスメディアに注目していたこともあり、IRSNの発表は常に気にしていた。そして4月当初に海洋汚染シミュレーションのレポートがあがったことに加え、汚染水の海洋投棄問題が重なったこともあり、急いで意訳し書いたものである。現在でも海洋汚染の実態ははっきりしていないが、それは急に発生して収束するものではなく、長い年月をかけてじわじわ広がりを見せていく性質のものである。よって、たとえば「食の安全」については、安全宣言などと言うくだらないものを信ずる(発出する)のではなく、米国輸入牛肉の時に見せたような全頭検査レベルの対応をすべきだろう。地域産業(農漁業)が立ち直れなくなるという理由で規制を緩めたり、あるいは規制にかからない制限値を捻出したり、はたまた基準値を超えなくなるまで試料を交換するなどと言う、消費者の方を向いていない政策・判断は願い下げ、いや却下、拒否すべきだ。
また、東京電力や他の原発の行く末も昨年4月までには出そろっている。現在、原発のほとんどは稼働停止状態にあるし、東京電力の問題は紆余曲折しており、まだまだ予断を許せる状況にはない。
こうして振り返ってみると、起こった直後というのはもちろん大変なことには違いないが、起こった後の対応がいかにもっともっと大変であるかが改めて確認できる。そんなことを一年経って思いながら、今回はここまで。
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