二週間ほど前に「都内の上水道中に含まれる放射能調査結果を確認する」という記事を書いたが、今回はその続編。もっとも続編とは言っても内容としては大きく変わらず、前回記事から今回記事までの間の測定値データ補完程度の意味合いとなる。では、前回にも示した東京都健康安全研究センター(東京都新宿区百人町)による「都内の水道水中の放射能調査結果」のデータを3月18日分から4月22日分までをグラフ化しものをご覧いただこう。
縦軸の数値単位は「Bq/kg」で水道水1kg(約1リットル。純水ではないので「約」としている)に含まれるベクレル値。横軸は3月18日から昨日(4月22日)までの日付(採水日)。測定対象の放射性物質は、沃素131(131I)、セシウム134(134Cs)、セシウム137(137Cs)の3つ。他の放射性物質は、測定対象外である。前回は4月9日分までをグラフ化しているので、今回追加した部分は4月10日~22日までの13日分。ご覧のように雨は二回ほどあったが、グラフは限りなく縦軸の0値に近づいている(沃素131で見れば0.20~0.70μGy/hの間)。つまり、大気中に塵として浮遊(存在)する放射性物質が雨によって地上に落ちてくるにしても、その量は爆発によって大量に飛散したものと比べれば圧倒的に少ないことが確認できる。だが、少なくなったという視点で見るのは誤りで、爆発事故という異常事態と比べるものではなく、そもそも自然界に存在しないこれら放射性物質(核種)がそれなりの値で観測されることが問題なのである。
というわけで、今回は4月10日~22日までの13日分のみのグラフも作成してみた。降雨との相関関係があるのかないのかは、これだけで判断できないほど減っては来ている。今後の原発事故の展開にもよるが、大気中への拡散が抑制傾向にあることはこのことからもわかるだろう。
福島第一原発から200km程度離れている観測地点であるので、さらなる近距離圏はまた異なる傾向が示されている可能性はあるが、確かに関係者の努力による効果は表れているように見える。
最後に、前回も示したセシウム134及びセシウム137だけにしたグラフを掲げる。このあたりで今回はここまで。
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