福島第一原発事故以来、気になるのは降雨である。先頃、隣国大韓民国においても過剰な反応(浄水場に降雨がかからないようにするなど)が見られているが、これを笑うことなどできはしない。実際、降雨によって、131I(沃素131)が通常時よりも大量に観測されたことは事実であり、これが東京地方においても先月下旬に確認され、降雨以降の環境放射線測定値が20日程度経った現在においても、降雨前の値に戻っていない事実から深刻な問題であることがわかる。要は、放射線量の程度問題であって、健康に影響が出る出ないにかかわらず、原発事故における放射能(放射性物質)垂れ流しという問題がすべての元凶であることに何ら変わりはないのだ。
てなわけで、東京地方における環境放射線測定値を先月15日から今日(9日)午前11時までの1時間毎の時系列グラフを示し、降雨後の数値にどのような変化が現れるのかの事前準備を行っておこうというのが、今回の趣旨である。なお、データはいつものように健康安全研究センターのものを参照している。
こうして25日分の時系列データを一瞥すると、3月15日に「何か」が起こったのを別にすれば、降雨の影響が出始める3月21日午前8時頃までは、しばらくの間、0.05μGy/h(マイクログレイパーアワー。1時間毎におけるマイクログレイ値。Gy/hはSv/hと同等と看做される)と平常値であったものが、降雨と共に値が上昇し、雨がやんでからも0.1μGy/hを切るのに11日を要し、未だに0.8~0.9μGy/h前後のまま推移している。そして今日の雨でどうなるか、注目しつつ今回はここまで。
参考記事1「都内の環境放射線測定値、11日ぶりに0.1μGy/hを切る」
参考記事2「都内の環境放射線測定値(3月15日から10日間)」
参考記事3「都内の環境放射線測定値が0.1μGy/h超で安定中(21日午前10時過ぎより)」
参考記事4「都内の環境放射線測定値が急上昇中(21日午前8時過ぎより)」
2011年4月9日午後追記
東京地方、ほとんど雨は降らなかったですね。観測点の新宿区百人町あたりも同様みたい。
コメント