ようやく気象庁のWebページで「IAEAからの要請と当庁が作成した資料一覧」が昨日(5日)公開された。ただし、トップページからの明示的なリンクはもちろん暗黙的なリンク(HTMLソースレベルで見ても確認できない。4月6日午前7時現在)もなされておらず、いやいや仕方なく言われたからやっとのこと対応という態度がありありだ(4月8日追記:ようやくトップページから臨時リンクが設けられた。注意点も一つ追加されたが、特記すべきものではないので以下はそのまま3点にとどめる)。さらに、注意書きとして3点掲げられているが、これがまた素晴らしい(嫌味です)。
- これらの計算結果は、IAEAの指定する放出条件に基づいて計算したものであり、いわば仮定に基づくものであって、実際に観測された放射線量等は反映されていません。
- 当庁の同業務における計算の分解能は100km四方と、避難活動等の判断にとって極めて粗い分解能で行われているものであり、このため、この結果は国内の対策には参考になりません。
- 国内の原子力防災については、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)による試算結果が公表されています。
国民なめてんのか?と思えるような幼稚な言い逃れコメント。もっとも、こう書かないとすぐに食いついてくるいかがなものか的な者が存在することは承知しているが、それにしても…。間違いなく言えることは、ここに書かれていることは公開しない理由にあたらないのは確かだろう。特に3番目は、SLOWLIもといSPEEDIとは名ばかりで、地震発生後、10日以上経ってのもの(3月23日だったか?)、かつたったの一回ぽっきりであり、仮に気象庁のIAEA報告のものより精度が高いとしても、毎日報告している継続性のあるデータと比べれば劣っているのは自明である。
我が国の気象庁に求めるものは、とりあえずIAEA報告資料をこ汚いFAXコピー文書PDFから、他国の気象団体等が行っているような見やすい時間単位での変遷図(アニメーション)を早急に作成・公開することだ。この資料一覧は、あくまで取り急ぎであることだと思いたい。
「IAEAからの要請と当庁が作成した資料一覧」に示される「2011年3月11日09時30分」(要請日時、協定世界時)になされた5ページの資料を引用して、今回はここまで。
見にくいが、まずは1チャート目。
2チャート目。
3チャート目。
4チャート目。
5チャート目。
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