そういうことをメルトダウンと言うならそうなります、みたいな感じで自らはけっして断定しない物言いをしつつ、東京電力は昨日(12日)公式に福島第一原発1号機がメルトダウン状態にあることを明らかにした。言うまでもなく、これは1号機だけの問題ではない。最近になって1号機がもっとも調査されているから明らかになっただけの話であり、1号機が最悪な状態にあったのではないことに意識を置いておいた方がいいだろう(1号機が最悪ならば、そもそも人が立ち入るという判断はないだろう…と思いたいが)。
今回は、3月29日に掲載した記事をもう一度掲載し、なぜこのような報道が我が国ではできていないのか、に思いを巡らせつつ、今回はここまで。
昨日(28日)、突如として東京電力等は福島第一原発敷地及び周辺敷地の土壌から238Pu等が検出されたと、今さら発表していたが、こんなことは3月14日の3号機爆発時点で自明(使用済核燃料=MOX燃料がどこにどのように保存されていたかを知れば自明)のことであり、それをようやく専門機関に委託して検出できたというだけの話で驚くべきことではない。そんなことよりも、この238Puを含めた放射性物質をどうするというのが重要事項だが、どうするという対策は現状がどうなっているかによって対処方法は変わってくる。このあたりの状況は我が国政府の発表、東京電力等の発表を見ていてもさっぱり出てこないので、仏France F2の20時のニュースから、フランスでは福島第一原発をどう見ているのか確認してみよう。
(C)F2
28日20時のニュース(現地時間)では、さすがに福島原発のニュースは3番目(とはいえ、リビア情勢よりも前)と落ち着いてきたが、内容自体は原発の現状、そして状況から何が起きているのかの推測、日本国内の原発反対運動を採り上げており的確だと言える。中でも注目は、原発で何が起きているかの推測だ。
France F2では早くから福島第一原発はメルトダウンを起こすという警鐘を発しており、仏IRSN(Institut de Radioprotection et de Sûreté Nucléaire)の放射能雲飛散シミュレーションデータをいち早く紹介するなど、我が国の発表や報道からは見ることができないニュース(及び解説)を報道しており、今回も放射性物質が原子炉からどのように拡散していくのかという推測を行っていた。
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原子炉内炉心に位置するの燃料棒が、
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原子炉の破損や冷却水が循環しなくなることによって発熱して溶け出し、下部に蓄積しメルトダウン発生。
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それが原発施設地下部分を溶かして、
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非常に高い濃度を持つ放射性物質は地下経由で拡散。というシミュレーションである。というか、メルトダウン(炉心溶融)となればこうとしかならない。
このようなことは我が国から遠く離れたフランスでも推測できることである。起こってから、観測されてから発表することも大事だが、何が起こるのかという説明がまったく我が国の公式発表等から出てこないのはどういうことか。まぁ、言わずもがなとしつつ、今回はここまで。
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