いきなりの中部電力に対する菅首相の浜岡原発停止要請。中身の善し悪しは別にして、この公権力の振り回し方はいったい何様のつもりなのかと驚かされる。同時代人ではないので、ピントがずれている可能性はあるが、戦前だってここまでひどい超法規的発言を内閣総理大臣でかました人はいないのではないだろうか(これも悪法も法のうち、などの議論はあれど)。
「国民の~」と嘯いているのも空恐ろしい。先日、内閣官房参与だった東京大学大学院教授の小佐古敏荘氏が、菅首相ら(官邸)の場当たり的対応と、福島県下の小学校等の基準20mSv/Year以下でっち上げのひどさ等から辞任し、それに対して首相は「見解の相違だ」と白々しいコメントを吐いたばかりだが、この浜岡原発停止要請などを見れば、やっぱり場当たりそのものだと痛感する。
今、急いでやることかい? それ。緊急地震速報並みなのかい? センスを疑う。
とどのつまり、福島で手詰まりだから他で点数稼ぎをしておこうとしか見えないが、せっかくの素晴らしい提案なのに手法がいかがわしく不適切なものであれば…というか、最高権力者だからこそ慎重であるべきだろう、不適切な権力行使は。
本当にこいつは独裁者だ。思いつきと場当たりで「常に自分は正しい」と猛進(妄信)し、都合が悪くなればそんなことはないと開き直る。これに粛正が加われば、立派な末世独裁者だろう。菅違い、もとい勘違いも甚だしいこの人は、それこそ暴走したら手に負えなくなるのは確実だ。中部電力がこの不適切でいかがわしい権力の行使から発せられた要請に対し、しっかりとした対応を望みつつ、我々もこの末世独裁者(と側近)の不適切な権力行使を批判する声を上げた方がいいと考える。結局は権力の使い方一つ真っ当にできないド素人、に過ぎないのだろうが。
参考記事1:「首相、浜岡原発の全原子炉停止を要請 防波壁完成まで」(asahi.com)
参考記事2:「菅首相、浜岡原発全原子炉の運転停止を要請」(YOMIURI ONLINE)
参考記事3:「浜岡原発、全面停止へ 保安院「2年程度」 首相、中電に要請 」(日本経済新聞電子版)
参考記事4:「浜岡原発停止要請・菅総理の記者会見全文紹介」(NHK「かぶん」ブログ)
2011年5月7日午後追記
やっぱり思いつきだったようだ。4月初旬から…とは聞こえてきているが、官邸内の雑談レベルで何が検討だとへそが茶を沸かす話に過ぎない。地元御前崎に行ったのが前日とは…。アリバイ以外の何物でもないな(呆失笑)。
参考記事5:「「意見聞いていたのか」御前崎市長、突然の発表を批判 浜岡原発の地元 政府の停止要請受け」(日本経済新聞電子版)
物事を慎重に検証せず、ブレーンに相談せずに支持率向上のためのスタンドプレーのために受けを狙った発言は、如何にも単なるアジテーターとしての社会運動家の典型です。無論左翼は歓迎するでしょうが、かの毛沢東ですらニクソンが会見する前に右翼であると聞き、左翼は信用できないが右翼は信用できると言ったそうですが、如何にも現実政治家らしい発言ですね。
投稿情報: 木造院電車両マニア | 2011/05/07 11:49