昨日(12日)の祇園での歩行者18人が巻き込まれた軽ワゴン車による殺傷事件は、交通事故扱いするのはもちろん、てんかんによる発作とするのも疑問視される事件のように見える。無論、私は現場にいないし、関係者でもない。ただ、あの場所は京都に出かけた際は必ず立ち寄るエリアであり、どう考えてもあの道路を意識を失った状態で走りきるというのが、偶然であったとしても信じがたいのである。
報道どおりであるとしたら、最初にタクシーの後方に追突事故を起こした時点で止まるか、あるいは既に意識を失っていたにしても、また衝突した衝撃で意識を失ったとしても、停車していたものが再び動き出すこともなければ、ぶつかった後にタクシーを避けてスピードを上げるなどできはしない。さらに、交差点にまさに突入せんとした市バスを右側に避け、直線状となっていない大和大路(北側から見ると「く」の字状に交差点のところで屈曲している。別名、縄手通り)をすり抜けるなど、無意識で行うことは不可能だ。仮にうまくバスを回避できたとしても、交差点を渡ってすぐ右(東)の洋食屋さんに突っ込んでいたはずで、バスを避けるためにハンドルを右に切ったすぐ後に意図的にハンドルを左に切らないかぎり、衝突から回避するのは不可能だろう。なぜなら、北から見て「く」の字になっているだけでなく、すぐに道幅が狭くなっているからで、こういう場所を避けることが無意識(意識を失った)状態でできるのか?という疑問である。
しかも、交差点から先の大和大路がまた難所なのだ。理由は、この通りは路上駐車が多く、一方通行ではあるものの、路上の左右に駐車している車を避けながら運転しなければならないのである。時速何km/hで走行していたかは知らないが、スピードを上げていたとしたなら、意識を失っていなくてもかなり困難な、あるいはハイテクニックを持ったドライバーでなければ難しいはずで、それを意識を失った状態のドライバーができるはずもない。衝突場所は、四条通りの交差点から北へ約180~190メートル先の大和橋(やまとはし)を渡ってすぐの鳥新さんと割烹富久さんの間の電柱(進行方向右手側)で、そこに激突。状況証拠から、てんかんの発作が起こっていたなら、ここまで猛スピードで走ることはできないと思うわけだ(仮に時速80km/hとした場合、180メートルの走行に0.00225時間=8.1秒もぶつかることなく運転し続けなければならない。これが時速60km/hなら10.8秒)。
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以上から、これはタクシーとの追突事故から逃げるために起こしたのではないかと見る。もし、てんかんの病歴がなかったなら、タクシーへの追突時にそこで示談にするか、あるいは警察の世話になるにしても自賠責の範囲内の物損事故で終わる(それはそれでイヤなものだが)。しかし、警察の世話になれば、調べによっててんかん患者だとばれてしまい、職場にひた隠ししていたのもばれて仕事を失ってしまう。その恐怖感からその場から逃げ出し、逃げたすぐ先の交差点で人身事故を起こし、気が動転してさらに逃れようと車を走らせ路上駐車の自動車を左右に避けつつスピードを上げ、後ろも気にしながらのハンドル操作を誤り電柱に激突。タクシーに追突さえしなければ…、交差点が青信号だったなら…。そんなことを思ってたかはわからないが、気を失うというよりは動転して逃げることばかりに焦っていたと見るのである。
よって、てんかんの発作というよりは、これをひた隠しした結果が重大殺傷事件につながったのではないかと思う。つまり、てんかんは事件の背景にはあるが、直接の原因ではないと状況証拠から考えるのである。それにしても、これによってまっとうに生活されているてんかんを患っている方々が気の毒でならない。蔑視とは一部の不心得者によって形作られるものだが、この事件の真相は何とも言えないところであるが、悪い方に行かないよう市民の一人として差別に荷担しないとする。そんなことを週末に考えながら、今回はここまで。
2012年4月16日追記:
朝日新聞系列などの報道機関が事故られたタクシーのドライブレコーダによる映像が公開されたが、「嗚呼、やっぱり」という想いが。状況証拠的には意図的な運転であるため、殺人罪が適用されてもおかしくない。ますます、病気を盾にしてはならないことは、真っ当に生活している癲癇を患う方々への偏見としかならないという印象。
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