まだ発売開始半年しか経っていないのに、定価25,000円から15,000円へと大幅値下げに踏み切ったNintendo 3DS(ニンテンドースリーディーエス)。来月(8月)11日からということなので、2月26日から数えれば半年未満なのだが、これだけ早期に定価を下げるということは、いかに任天堂が3DSの不振を理解しているかの証左となる(それが救いと言えば救いだが)。
しかも、ライバルはまだ存在(登場)していない状況での一人コケ。一体、何がダメなのか(だったのか)。私も3DSを持ってはいるが、3DS専用ソフトはたったの1本購入しただけ。それも3Dをウリにしたというよりは、単なる移植作でしかない「テイルズ オブ ジ アビス」である。それも、肝心の3DをOFFにしてプレイし、PS2版の劣化移植でしかないことが判明。主要6人キャラが揃ったあたりで放置状態である。
なぜ3DをOFFにするのか。理由は簡単で、この「テイルズ オブ ジ アビス」自体が3Dに向いていない(PS2版をそのまま疑似3Dにしただけ)こと、特に台詞(吹き出し)が3D表示時には最前面に置かれるような配置になって、遠近感もへったくれもなくなってしまうクソ表示だからである。そして、メニュー画面を出すと2Dなのか3Dなのか、何とも微妙な(目の錯覚による)表示になり、繰り返しメニューを出したり消したりすると簡単に疑似3Dは破綻する。まぁ、正直こういった台詞(吹き出し)を疑似3Dの手前に置くか奥に置くかや、もともと平面的なメニュー画面を疑似3Dではどう表現するかは悩ましいところで、私が担当していたとしたら3Dはやめようと言うに違いない(苦笑)。
振り返れば、私も4か月と20日ほど前。東日本大震災のちょうど4日前に「Nintendo 3DS、購入してみたが…やはり」という記事を書いたが、3DS専用ソフトでさえこのレベル。2Dゲームの無理矢理3D移植だから、という理由もあるのだが、この画面の汚さは最悪であり、これはいかに3Dを意識して一から作られたゲームだったとしてもどうにもなるまい。
しかも残念ながら3DSは、DSと互換性があるといっても、画面がより美しくなるとかそういう上位機種を使っているメリットはなく、逆にドットバイドットでは小さい画面表示になり、フル表示にすればガタガタの汚い画面に相応しい(笑)最悪表示となり、DSゲームをより美しく愉しむということもできないのはもちろん、むしろ汚くなるのだから始末に負えない。こんなものに25,000円かけた自分がバカだと諦めるのは簡単だが、よくもまぁこんなものが任天堂社内で通ったものだと驚かされる。あなた方の目は節穴ですか、と。
とどのつまり、何が何でも裸眼立体視が最優先にされ、それを阻むものは認められなかったということなのだろう。2Dでの画面表示が汚い? いいんだよ、3Dさえできれば! 液晶画面が裸眼立体視実現で見にくいんだけど? いいんだよ、3Dのインパクトの方が大事だから! DSソフトがDSよりも汚いんだけど? いいんだよ、3DがメインになればDSなんて使わないんだから。それにDSiだってまだまだ売るんだから3DSがよくなったら困るんだよ! 色々考えられるが、はっきりいってこれは社長が辞任して責任取るくらいの重さはあると思う。そんな調子で今回はここまで。
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