さて、今日(13日)午前中に到着したVAIO Z21だが、すぐさま梱包を解き、セットアップ作業を行った後、セキュリティ対応を行いつつ、余計なプログラム等を削除。その一方で従来の環境を移行しつつ、ソフトウェアの認証作業もあわせて行い、何だかんだで7時間ほどかけて何とか使える環境まで持ってきた。そして、この文章はVAIO Z21を用いて入力しているのだが、まさにこのタイミングで私の使用感、ファーストインプレッションを書いておきたいと思う。
いつもなら基本スペックとかベンチマークとかから始まるファーストインプレッションだが、初日の使用感から書いておこうとするのはもちろん理由がある。それは、これまで私が体験してきたMobile PCとはちょっと勝手が違うぞ…と思うからで、イメージとしてはVAIO Uであるとか、Librettoであるとか、はたまたWindows CEマシンであるとか── 何となく正統でない…といっていいかはわからないが、ちょっと「尖りすぎ」ではないかと感じたからだ。
では、まだ使用して数時間、実質はインストール作業等を除けばまだ数分程度に過ぎないが、VAIO Z21のキーボードをたたきながら思うことを書き綴っていこう。
最初は、キーボードのぺらぺら感がひどい、ということである。今から4年ほど前、初代VAIO type Zが登場した際、アイソレーションキーボード(揶揄した言い方ではキャラメルキーボード)の打ちにくさに体が慣れるのを待つか、それとも慣れることができずZを捨てるのか、と心配したものだが、キーピッチやキーの沈み込みがそれなりにあって、あっという間に慣れてしまった。思っていたよりもカチャカチャ感もなく、これはこれでありではないかと感じたものだった。
ところが、このVAIO Z21は本体の薄さを最優先にしたためか、キーはほとんど沈み込まず、カチャカチャとうるさく、また、ちょうど手首が当たるあたりの両サイド(角の部分)が尖っているので、手首が痛くなってしまうのだ(手首を浮かせているうちはいいのだが、下に置いたタイミングで角にぐさっと刺さる感じ)。デザイン最優先なのはいいが、手首が痛くなるのは勘弁してほしい。要するに、4年前にVAIO type Zを見て危惧したキャラメルキーボードの不安が、ここで現実になったということである。ぺらぺら感のキータッチ、パームレストの役を果たさないどころか、むしろ手首を痛める構造の両サイド(角)。これは長文を打つのにはまったく相応しくない。思うに、初代VAIO Zのコンセプトを捨てた弊害がこういうところに表れ、本体のみでデスクトップPC代わりに使おうというファクタは失われたとみる。つまり、Mobileを優先しすぎたことがGPUや光学ドライブを外付けにさせたように、このへなちょこキーボードの代わりに外付けキーボードを使えということなのだろう。何でもかんでも外付けで対応するというのが第二世代VAIO Zのコンセプトだというのなら、いっそのことVAIO XZと新シリーズにでもした方がよかったんじゃなかろうか。
そして拡張バッテリについて。本体だけだと液晶ディスプレイを開いていく過程でキーボードに傾斜がつき、若干だが打ちやすくなるのだが、この本体下にべったり貼り付く拡張バッテリを挟んでしまうと、傾斜がつく機構が宙に浮いてしまう(拡張バッテリによってエッジ部分が浮いてしまうため)。この結果、液晶ディスプレイを開け閉めしてもキーボードが(本体が)傾斜しなくなる。よって、ただでさえ打ちにくいへなちょこキーボードがさらに打ちにくくなるのである。こういうところ一つとっても、第二世代VAIO Zはコンセプトそれ自身を自らによって破綻させている構造が浮かび上がる。
果たして私は、この打ちにくいキーボードに慣れることができるのだろうか。そんな不安を抱きつつ、ファーストインプレッションを終える。
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