発売開始が来月前半あたりということで、約3週間後に控えているわけだが、冷静になってVAIO type Zを眺めてみることにした。大前提として実機を見てもさわってもいないので、あくまでSONYのWebから提供されている情報のみから判断していることを男割り…もといお断りしておく。
まず、液晶ディスプレイが13.1インチで、1600 x 900とわかりやすい16 : 9比率の高解像度画面であること。ここに強く惹かれたわけだが、無論これだけではない。私が魅力に感じたポイントを以下に列挙してみよう。
- 13.1インチ1600 x 900の高解像度液晶ディスプレイ搭載
- 第二世代Penryn(Core 2 Duo T9600)搭載
- 再起動なしでグラフィックスアクセラレータ切り替え可能
- DDR3 SDRAM(PC3-8500)デュアルチャネル対応
- 本体のみで1000BASE‐Tをサポート
- HDMI端子搭載
- フルピッチキーボード搭載(キーストローク2.5mm)
- 標準バッテリで7.5~11時間(カタログスペック)
- 重量1.57kg
- デザインがいい
うまい具合に10項目となった(デザインについては最後に記し、無理矢理10項目にしたように感ずるかもしれないが、そんなことはない)。では、この10項目について個々に私の見解を述べていこう。
13.1インチ1600 x 900の高解像度液晶ディスプレイ搭載
私のことを古くからご存じの方は、私が高解像度好きだということをわかっていただけると思うが、ノートPCにおいては1280 x 800という中途半端な解像度で我慢してきた。もちろん、3kg超のノートPCなどジャンルを広げれば、フルHDパネルを搭載したものもお目にかかることはできるが、最近の傾向として2kgを切るようなノートPCにおいては、高解像度と私が思えるようなものはほとんどなくなってしまった。選択肢がない以上、妥協するしかなかったのだが、ようやくこのクラスにおいて1600 x 900という高解像度のものが出てきたことは、単純にうれしい以外の何ものでもない。だからこそ、type Zにすぐさま反応したというわけである。
第二世代Penryn(Core 2 Duo T9600)搭載
Penrynの実力については、使っている方であれば説明不要だろう。32-bit環境においては最強のプロセッサであり、消費電力とのバランスもとれたすばらしいものである。その第二世代とも呼ぶべき、Core 2 Duo T9600はPシリーズのようにTDPが25Wレベルに収まってはいないが、逆に動作クロックを引き上げておきながら、TDPが35Wに収まっていること。加えて、このサイズの筐体にそれを収めてしまうということが驚異的である。おそらく、次のマイクロアーキテクチャNehalemにおいては、しばらくの間、Mobileプロセッサとしては今ひとつであるのは明らかなので(そもそも出てくるかも怪しいのだが…)、第二世代Penrynが最強のMobileプロセッサとなるだろう。これは行くしかない(苦笑)。
再起動なしでグラフィックスアクセラレータ切り替え可能
私は現在、VAIO type SZ、VGN-SZ95USを使用しているが、グラフィックスアクセラレータの切り替えをほとんど使っていない。つまり、常にSPEEDモードで使っており、その結果として大容量バッテリを使用している。せっかくの切り替えモードなのだが、いちいち再起動させるのは面倒なのである。昔のように、シャットダウンが欠かせないのであればそれはそれで使うと思われるだろうが、切り替え方法がくせ者で、シャットダウン後にSPEEDモードからSTAMINAモードに切り替えることができない(できるかもしれないが、うちのtype SZではドライバの切替ができない状態)。おそらく、モード切替をソフトウェアレベルで感知させる必要があり、その切替はOSが起動中でなければ感知できないという制限から?のような気がするが、とにかく再起動を伴う切替が面倒で使っていないのが現状である。しかし、使うメリットがあるのは確かなので、これが再起動なしでできるようになったことは大変意義がある。ようやく、これを使うことができるという思いだ。
DDR3 SDRAM(PC3-8500)デュアルチャネル対応
ベンチマークほど体感しにくいのがメモリの変更であるが、これは当然で、大容量データのメモリアクセスに負荷がかかる局面でなければ、その差はほとんど体感できない。おそらく、これが活きてくるのはExcelやWordなどの使用時ではなく、例えばフルHDの映像を編集したり、圧縮処理などを実行する局面で如実に表れてくる(効いてくる)と思われる。とはいえ、私はこのような目的で使用するつもりはほとんどなく、単にプロセッサバスやメモリバスとのバランスから、DDR3 SDRAM(PC3-8500)がいいという感覚的なレベルでしかない(苦笑)。せっかく高いものを買うのだから、こういうところまでしっかりしたものを搭載したい。こういう理屈である。
本体のみで1000BASE‐Tをサポート
デスクトップPCでは今さら感が強いが、ノートPC、中でも多くの小型のノートPCにおいては、これまでは別チップを必要とすることから1000BASE-Tのサポートは行われていなかった。しかし、ようやくICHが9となったことで1000BASE-Tのサポートが可能となり、ドッキングベイ等を使うことなく、本体のみでサポートされたことは単純にうれしい。
HDMI端子搭載
フルHDテレビを見るようになってから、そしてPLAYSTATION 3を使うようになってから、HDMIケーブルの使い回しのよさに感服している。確かに、音質等は他の方法に比べ品質が劣るのは否めないが、それを体感できるだけのユーザレベルがなければ、この使い回し(取り回し)のよさはやはり便利である。HDMI端子があれば、フルHDの解像度で液晶テレビを利活用できる。単に端子の有無だけであるが、私にとっては非常に大きなポイントである。
フルピッチキーボード搭載(キーストローク2.5mm)
いわゆる英語キーボードを使っている私だが、今のVAIO type SZ、VGN-SZ95USのキーボードの不満が、キーストロークが浅いことにある。これが2.5mmとしっかり確保されていることはうれしいが、キーボードに関しては実際にたたいてみないとわからない。期待を込めて入れておく的な意味合いである。
標準バッテリで7.5~11時間(カタログスペック)稼働
おそらく、私の使い方だと4~5時間程度にまで下がると思うが、それでも十分である。大容量バッテリを別途用意すれば、ほぼ問題ないレベルだと思う。バッテリでの動作を前提とする機器は、最低でも2~3時間は稼働してほしい(否応なくスリープモード等でバッテリを消費するので)。
重量1.57kg
そんじょそこらのPCよりも速いにもかかわらず、重量1.57kgというのは驚異である。あまり重量のインパクトを受けない私だが、これだけのスペックでありながらこの重量(及びサイズ)というだけでトピックである。廃熱処理とかは問題ないのだろうか?と気になって仕方がない(苦笑)。
デザインがいい
これは好みの問題で、かつ個人差がはっきりと出るものなので人それぞれだが、Zのデザインは昔のZの時代から気に入っている。ただ、その代償としてバックパネルがバッテリに占有されてしまい、USBポートなどのケーブル端子類が本体右サイドに集中してしまうのが気に入らない点である。マウスなど使わず、タッチパネルを使えばいいのだろうが、残念ながら私はそれほど器用ではない。つまり、限られたデスクスペースの場合、マウスを操作するだけの右スペースを確保するのが困難という問題がある。デザインはいいのだが、使い勝手が気になるというわけである。
以上、VAIO type Zを検討してみた。気合いの入ったモデルであるのは確かだが、冬モデルか春モデルまで待って洗練されてから入手する、という判断も働く。悩むなぁ。
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