Intel社は、コードネームMontevinaことCentrino 2を正式発表した。
と、昔(XWIN II Web Page時代)なら、これについてあぁでもないこぅでもないとか書いたりしたものだが、気楽なWeblogなのでお気楽に行く。
Intel社のブランドで「2」あるいは「II」が付いたものは、主だったものとしては以下のようなものがあった。
- Pentium II
- Itanium 2
- Core 2 Duo
Pentium IIは、P6マイクロアーキテクチャを持つPentium Proを一般ユーザ向けプロセッサとしてデビューさせたもので、Pentium(P5マイクロアーキテクチャ)系とは関連が薄い。しかし、一般ユーザにはPentiumというブランド名が定着していたことから、この後継としてPentium IIというブランド名を採用した。しかし、Pentium Proと違いコストを下げるために、L2キャッシュは外付けとなったことで、P6マイクロアーキテクチャのアキレス腱を露呈することとなり、同クロックにおいてはPentium Proよりも遅かった。また、Pentiumと比べても(当時はMMX Pentium)、x86命令がμOPsに分解されて実行されること等から、同クロックにおいては性能は低かった。もっとも、μOpsという固定長命令に分解することによって動作クロックを引き上げるのが、P6マイクロアーキテクチャの真骨頂だったので、そのあたりは将来的には問題はなかったが、スタートダッシュで躓くおそれもあったことから、ブランド名には「II」を付けたというわけである。つまり、表だって性能が向上できないため、ブランド名の刷新をもってアピールしたわけだ。
そして、Itanium 2。過去の傷を忘れ去ったのか(苦笑)、単にItaniumブランドに戻りつつあるが、Itanium 2ブランドの登場は、一敗地にまみれたItaniumブランドを払拭すべく「2」を付けることで再生を図った、というよりは目先を変えたというべきだろうか。とにかくItaniumは、その期待の大きさとは裏腹にまったく期待はずれのものでしかなかった。出荷も遅延に次ぐ遅延が続き、Mercedというコードネームがそのまま製品名となってしまったのかと勘違いしそうなほど、開発期間が長かった(発表してからが長かった)。登場はしたが、期待を大きく損なう性能によって、わずか第一世代のみ、一年余りでItaniumブランドはItanium 2ブランドになった。ブランド名に「2」が付いたのは、以上からわかるとおり「汚名払拭」のためである。
そして、Core 2 Duo。Core Duoの後継としてCore 2 Duoが登場したが、これはMobileプロセッサとして設計されたYonahに対し、多くの用途に利用するための機能強化がMeromに対して施されたものであり、Conroe等、多くの派生バージョンが生み出された。ブランド名で見てもCore 2は、DuoだけでなくSolo、Quad、Extremeのバリエィションを生み出した。これらは、ブランド戦略がPentiumからCoreへの移行を強力に推進した結果(マイクロアーキテクチャもCoreと名付けられたのだから)であり、「2」が付されたのは先行するCore Duoがあったためである。いかにIntel社が、NetBurstから大きく舵を切ったかが伺える所産といえるだろう。
以上、主な3つを眺めてみて、今回のCentrino 2への変更は何を意味するものだろう。Centrinoブランドが2003年に登場してほぼ5年ぶりの変更となるが、これまで第四世代までがCentrinoブランドであり、第五世代をもって「2」が付くこととなる(位置付け的には、Penrynが搭載されてからは4.5世代といってもいいかもしれない)。これまでの例から考えると、
- 「性能的に問題がある」
- 「大して変わり映えしない」
- 「ブランド戦略が大きく変わったことによる余波」
といった際に「2」あるいは「II」を付ける傾向があることがわかる。Santa RosaからMontevinaへの移行は、マイクロプロセッサはほとんど変わりなく、チップセットもデスクトップPCほどの変化は見られない。無線LANについても、速度の向上はあれど特筆すべきものはない。つまり「大して変わり映えしない」ことから、ブランド名に「2」を付けたのではないかと思われるのである。
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