いよいよ週末がやってきた。4月の慌ただしさも、ようやく落ち着きを見せ始めてきたことから、当Blogも土日月の三日体勢から抜け出すことができるだろう(希望的観測)。と、それはともかくVAIO VGN-SZ90PSに対する、Windows VistaのSONY推奨のアップグレードを行った。かかった時間を先に述べると、開始時間が夜10時半スタートで、終わったのは実に翌朝の5時半過ぎ…。約7時間という時間を要した。無論、これは私自身のすべての環境を実現したものではなく、あくまで必要最小限のセットアップのみである。なぜ、こんなにも時間がかかったのか、振り返ってみよう。
一番始めに行うことは何か。それは、ずばり購入直後の状態に戻すことである。いわゆるリカバリ作業を行わなければならない理由はただ一つ。それは、私の使い方がSONYの想定から外れているためである。当Blogを以前からご覧いただいている方ならお察しの通り、既にOSをWindows Vista Ultimateにしてしまっているので、SONYの提供するアップグレードの適用から外れているのだ(苦笑)。
SONYの想定は、Windows XPからWindows Vistaへのアップグレードである。VistaからVistaへの移行など考えられているはずがないのだが、Vistaに対応したBIOSやドライバ等を提供していただけるのなら、自己責任の範疇に入るだろうが、おそらく何の問題もなく適用できるはずである。
だが、今回はそのような提供とはなっていない。それは、「VAIO Vistaアップグレードユーティリティ」なるものを介さないと、BIOS等も含めたすべてのソフトウェアを入手することができないのである(一部、個別のアップグレードで提供されるものもある)。また、大前提としてSONYは、以下のような免責事項を示し、これに承諾しない限りは「VAIO Vistaアップグレードユーティリティ」の使用すら認めないというのだ。
「以下、免責事項の抜粋」
PC の出荷時にプリインストールされるオペレーティングシステム(以下「OS」といいます)を当該 OS と異なるバージョンの OS に変更すること(本ページで公開される情報を利用して、Windows Vista へバージョンアップすることも含みます。以下同じとします)は、当該 PC の製品保証書に記載されている製品保証の対象外となります。
「以上、免責事項の抜粋」
要は、SONYの推奨方法(=「VAIO Vistaアップグレードユーティリティ」の使用)でも製品保証の対象外ということである。だったら、個別にVista対応のソフトウェアを提供してもいいじゃないかと思うが、まぁSONYのすることだから仕方がないと言える。It’s a Sony(苦笑)。
一応、この時点で確認すると、Windows Vistaへのアップグレードは、SONYによれば以下の手順で行えという。
- アップグレード前の注意事項を実行する
- リカバリを行う
- VAIO Vistaアップグレードユーティリティを実行する
- Windows Vistaへアップグレードする
- VAIO Vistaアップグレードユーティリティを実行する
- アップグレード後の注意事項を実行する
このうち、1のアップグレード前の注意事項を実行する、とは、データのバックアップを取れとの指示である。この後続く作業を見れば、リカバリを行うとあるので、これは必然である。リカバリ対象となるCドライブのデータを確実にバックアップしなければならないが、これは手慣れたユーザなら何の問題もないが、そうでないユーザは厳しいかもしれない。巷にはバックアップユーティリティがあふれているが、ユーザの指示なしですべてを自動で確実に間違いなくバックアップを取ってくれるものは存在しない。
まぁ、それはともかくとして、私の場合は、このバックアップ作業に約一時間を要した。バックアップ先はDドライブである。通常、バックアップ先は外部ドライブ等を指定するが、このようなリカバリやアップデート直後にすぐデータを戻すような場合には、Dドライブにしておくのが速度や手軽さの面からお勧めである。融通の利かない一部のバックアップユーティリティには無理な相談だが…。
バックアップ作業が終わったら、いよいよリカバリである。システムとアプリケーションの二枚のCD-Rを利用するが、私が通常行うリカバリはシステムのみでアプリケーションは行わない。理由は、VAIO VGN-SZ90PSにプリインストールされている多くのアプリケーションソフトウェアは使っていないため、ディスクの肥やしにしかならないためである。しかし、今回のVistaアップグレードでは、VAIO Vistaアップグレードユーティリティなるもので何が起こるかわからないので、アプリケーションも含めフルリカバリを行った。この作業に要した時間は、約一時間弱。いつも思うことだが、リカバリの作業はOSが重くなるたびに作業時間が長くなるので勘弁してほしいものである(リカバリイメージを持っていて簡単な方法で有効にするとか、色々考えられはするが…)。
リカバリが済めば、我がVAIOも購入当時の状態に戻ったので、ようやくVistaへのアップグレードの具体的作業の開始である。このアップグレードには、SONY提供の「VAIO Vistaアップグレードユーティリティ」を使用しなければできないようになっており、「VAIO Vistaアップグレードユーティリティ」の正体は、いわゆるクライアント側のActiveX(ファイル名はVAVU.exe)とWebサーバ間でやりとりされるプログラム群である。つまり、「VAIO Vistaアップグレードユーティリティ」実行作業中は、Internetに接続し続けていなければならないことを意味する。想像がつく通り、Internet接続環境は、AirEdgeとか64kbps程度のアナログ回線接続ではお話しにならない。最低でも、1Mbps以上のADSL接続環境は必要だろう。この回線環境によって、以降の作業時間は私の行った作業時間よりも、大幅に長くなることは覚悟してほしい。
まず、はじめに行う作業はWebページからのActiveX(ファイル名はVAVU.exe)のダウンロードである。ということは、即ちその前にInternetに接続できるよう設定をしなければならない。一般的には、リカバリ直後にInternetに接続できるようにはなっていないため、これを行わなければならない。それが済んでから、ActiveXのダウンロードとなる。このプログラム自体は500KB程度なので、それほどダウンロード時間はかからないが、各種の情報(VAIOにインストールされているプログラム等の確認だろう)をやりとり、展開しているようで数分を要する。
そして、いよいよ「VAIO Vistaアップグレードユーティリティ」画面が表示される。が、いきなり最初に行うのが、手動でのアンインストール作業である。Norton Internet security等のアンインストール。ま、納得である。これがユーザの指示なしで行えるようなら、セキュリティソフトとしての意味はない。これからのアップデート作業に明らかに妨害となるソフトウェアを手動で削除(言わずもがなだが、コントロールパネル内にある「プログラムの削除~」を利用する)し、再起動を促されるごとに再起動を行う。
手動でアンインストール作業と再起動を繰り返し、いよいよ、今度こそ、Vista対応アップデートプログラムのダウンロードが開始されるか…と思ったら、まだ開始されず、今度は自動アンインストール作業である(すべてがそうではないと思うが、大半がアンインストール作業だろう)。リカバリをやってすぐにアンインストールするというのも笑えるが、この無駄な作業を強いられ感は厳しい。この作業は意外にかかり、約一時間弱程かかった。まだ、アップグレード作業を開始していないにもかかわらず、ここまでで三時間を経過していた。
続く作業は、手動でアップデートするプログラムのダウンロードということで、これは思ったよりも数が少ない。考えてみれば、まだWindows Vistaそのもののアップグレード前であり、一旦、このタイミングでダウンロードさせておく必要があるものだけなのだろう。と勝手な解釈をして10分弱程度の作業を終えて、いよいよWindows Vistaへのアップグレードの開始である。下準備でこれだけかかるとは…(苦々笑)。
Windows Vistaへのアップグレードは、既にこのVAIOで一度行っているが、二度目の正式アップデートにおいては、インストール時に必要なプログラムをダウンロードしてあるので、Microsoft社お仕着せのInternet経由でのアップデートは想定外とすべく、SONYの注意事項では「必ずネットワークから切断してください」とキツい表現で示されている(LANケーブルは本体から外せという指示が可笑しい。ユーザは信用されていないようだ)。このあたりの指示には一応、従っておいて、VistaのDVD-ROMを挿入し、「今すぐインストール」→「アップグレード」の流れで作業を実行。
ここからの作業は、SONYが関与しない純正MicrosoftのWindows Vistaアップグレードの流れであり、何回かの再起動を繰り返してアップグレード作業が行われ、一時間超程度の時間でアップグレード作業は終わった。そして、再び「VAIO Vistaアップグレードユーティリティ」の登板である。
今度こそダウンロード…ではなく、Vistaアップグレード前に用意してあったVista対応のSony Shared Libraryのインストールである。これを行った後、またしても再起動。そして、またまた「VAIO Vistaアップグレードユーティリティ」の実行。ここで、ようやくVistaへアップグレードするためのプログラムをダウンロードする。その数は30、約600MB超である。ここで、Internetの接続環境がナローバンドしかないと、軽く一眠りしなければならない(苦笑)。しかも、これらはダウンロード後に自動アップデートされるので、ブロードバンド環境だったとしても、ダウンロード後のアップデート時間はかなりかかる。私の場合、これも約一時間弱程かかり、さぁ、はじめようとバックアップを始めてから、既に五時間半以上が経過していたのである。
だが、終わりではない。再起動した後、「VAIO Vistaアップグレードユーティリティ」に指示されたのは、手動アップデートプログラムのダウンロードである。その数は4つで、ビデオドライバアップデート、BIOSアップデート、SonicStage 4.3 アップデート、HDDプロテクションドライバ(これはアップデートでなくVista対応のもの)である。これらはいずれも再起動を伴うもので、4回再起動を行い、すべてのアップデートを完了し、ようやくここまででSONY公式のWindows Vistaアップグレード作業が終わったのである。いや、データ復元がまだだった。これを行ったまでのトータル時間は、約七時間(汗)。長かった…。
しかし、まだ終わりではない。この状態では、いわゆる購入直後の状態と何ら変わらないわけで、これから先、余計なアプリケーションソフトウェアを削除し、Office 2007等、各種アプリケーションソフトウェアをインストール。ほか、自分自身の使い勝手のいい環境にセットアップしなくてはならない。間違いなく、半日以上かかる作業である。と、まぁその前に一眠りするとしよう。疲れた。
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