FF12の賛否はあり、何かちょっと展開がぁ…みたいなところはあったが、ゲームそのものは楽しめたといえる。なので、Nintendo DSをプラットホームとしたストーリ的には続編となる「ファイナルファンタジーXII レヴァナント・ウィング」(以下、FF12RW)には、それなりに期待していた。
だが、その期待はほぼ裏切られたものとなりそうである。まだ、第二章までしか進めていない段階だが、おそらくこのあとプレイを続けても、そうそう印象は変わりそうにないと判断した。
一番の問題点は、携帯ゲーム機でありながら、プレイスタイルはそれに見合ったスタイルとなっていないことである。無論、Nintendo DS用ゲームなので、二画面を使ってはいるし、ペン入力もサポートしている。ただ、それらはサポートしていることが大事なのではなく、プレイスタイルを快適にするものでなければ無意味、つまりユーザインタフェースではなくお飾りでしかない。
ゲームのユーザインタフェースで重要なものは二つ、それは画面による視覚情報(アウトプット)と、各種ボタン等による入力情報(インプット)である(ここではサウンド等、他の要素は考慮に入れていない)。FF12RWは、RPGだが、リアルタイムストラテジー的要素が強く、キャラクターを敵に向かわせて勝手に戦わせるのを見ているといったスタイルとなっている。だが、キャラクターが一人ならいいが、最大5人のリーダーにそれぞれ手下が数人いるような状況では、多くのキャラクターの面倒を同時に見なくてはならず、とても忙しくなる。
このようなプレイスタイルなので、目的となるキャラクターをいかに画面内に収めるか、という点と、いち早く目的となるキャラクターを見つけ出す、という点が重要な操作となる。しかし、Nintendo DSの画面はとても狭い。インチサイズの狭さもそうだが、解像度的にも狭い。よって、この重要な操作を行いにくいため、乱戦模様となった場合、とても面倒な操作を強いられることになる。広い画面であれば、一望することができるが、ミニマップに同じような点表示では困難だという以外の言葉は見つからない。
さらに難儀なものが、キャラクターの移動が直線的な移動のみ(ただし敵キャラを指定すれば追随はできるものの、障害物があると避けてくれないため止まってしまう)で、かつ、複数指定できない。つまり、宝箱を開けたら、その後、別のところへ向かうということができないため、状況変化が生ずる毎にキャラクターの移動操作を指示しなければならない。そのたびに画面を切り替えなければならないため、複数キャラクターの扱いはとても面倒なものとなる。
しかも、ペン操作とボタン操作に一貫性がなく、どちらでも同じ操作ができるわけでもなく、一長一短がある。便利にするには、ペンとボタンと両方駆使する必要があるが、左右どちらかにペンを持ちながら十字キーやAボタン等を押したくはない。ペン操作もタッチするだけでなく、マウス的な用語を使えばドラッグ操作まで求められる。こんな操作を携帯ゲーム機で行わせようというのだから、何をかいわんやであろう。
これが据え置き機向けであれば、まだよかったかもしれない。だが、携帯ゲームでこのような煩雑なユーザインタフェースを持つゲームは、面白いものだとしてもやる気が起きない。明らかに方向性を間違えたゲーム、それがFF12RWだといえるだろう。
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