勤労感謝の日なので、今回はXeonの話は一回休み。国民の祝日らしく「東京ディズニーリゾート」の話題で行くことにする。すっかり、クリスマスムードでランド内には、大きなクリスマスツリーを始め、いくつもの素晴らしい演出を見ることができた。
ここは、観光地である。よく言われるとおり、ここは行政区画上は東京の範疇に入らないが、東京を名乗っている。千葉ディズニーリゾートでも、浦安ディズニーリゾートでも悪くないとは思うのだが、田舎に立地してしまうとそういう地元軽視の姿勢となってしまうのは仕方がない。もっとも、地元の人ほどそういう名称を蔑視することも珍しくないので、部外者の意見など迷惑千万といったところでもあるだろう。千葉県浦安市舞浜が住所だが、舞浜とはいわゆる町名ではなく正式には大字(おおあざ)名である。
浦安市は、19の大字から構成されており、舞浜は市の半分以上を占める戦後の埋立地の一部であり、舞浜の由来は「この地に東京ディズニーランドが建設されるため、ディズニーつながりで米フロリダ州のディズニーワールド近辺にあるマイアミビーチにちなみ命名」という、大きな期待が込められたものであった(実際、観光収入や税収等で市の財政に大きく貢献している)。
だが、浦安市は、1981年(昭和56年)3月31日まで千葉県東葛飾郡浦安町だった。その2年後の1983年(昭和58年)4月に東京ディズニーランドがオープンしており、一歩間違えば、浦安市どころか千葉県の郡部に存在すると言われたことだろう。
と前置きは、このあたりにして、千葉県浦安市舞浜にある東京ディズニーリゾートのうち、東京ディズニーランドに行ってきた。理由は、遊び、観光といいたいところだが、残念なことに仕事である。とはいえ、すべてがべったり仕事というわけでもなく、ランド内を散歩するなど、寒い中ではあったがそれなりに息抜きはできた。
それにしても、いつも思うことだが、ここは「行列」を抜きにしては語ることができないと痛感する。ファストパスというルールもあるが、どこがファストやねんと思うこともしばしばで、人気のものは1~2時間以上の行列は当たり前。みんなよく我慢して並んでいるものだと感心するが、感じ方は人それぞれであるし、中には行列が好きな人もいるらしい。また、人混みそのものが珍しくそれだけでうれしい!みたいな人もあるようだ(基本的に人口が少ないところから来た人にその傾向が高い)。
もちろん、行列はそれだけではない。女性用トイレを始めとして、ポップコーンを売る屋台みたいなものや、記念写真を撮るスペース、おみやげを買うためのレジ、そして食堂・喫茶の類まで、閑散としている一時期を除けば、どこもかしこも行列の洗礼を受けることになる。また、行列ではないが、待たされるという意味合いにおいては同等の、パレード等を見るための場所取りも含めれば、よほどマイペースの人でない限り、滞在している時間の半分以上は行列及び待ち時間が占めると思われる。
東京ディズニーリゾートにおけるサーヴィスは素晴らしいと聞くが、スタッフはほとんどの方々がよくできていると感ずるし、多くのユーザが目に見えないところでもスタッフの頑張りを確認することができる。しかし、夢と魔法の王国でありながら(苦笑)、こと行列地獄に関してのサーヴィス向上対策はほとんど行われていないようである。顧客に行列を強いていることが、ファンサーヴィスとかマスコミ受けするとでも思っているのだろうか?
とはいえ、行列を解消するような手立てを打つことができない実情も理解できる。オリエンタルランドがどう考えているかはわからないが、手っ取り早い入場制限(これは待ち行列が発生しない・しにくいレベルまで入場者数を制限するもので、ビッグバンが起こる直前での制限ではない)は、人気を考えると行うことはできない。おそらく、とんでもない入場倍率となってしまうので、多くの顧客は「何でもいいから入れろ!」となるのは必至で、来ようと思えばいつでも来られる東京周辺の人ではないことから、「せっかく来た」感が強いからである。
そして、東京キッザニア等のように完全予約制にしてしまえば、利益率が大きく失われることは明らかである。オリエンタルランドの業績は、顧客の我慢で成り立っているといって過言ではないだろう。だからこそ、行列地獄に対する不満をかわすため、それ以外のところで顧客満足度を向上させているという穿った見方もできる。
だが、好きで来ている大人なら、これはこれでわかって来ているからいいのだが、かわいそうなのは子供、特に学齢前の小さな子供たちである。人気が高い(行列が長い)ものの中には、小さな子供が参加できないものも少なくないが、それを外しても長い行列、あるいはファストパスが利用できるようになる長い時間を待たなければならない。子供の希望もあるだろうが、たいていは親や保護者の自己満足で連れられて来ているため、そのペースに合わせられてしまっている。何とも気の毒であり、このあたりは夢と魔法でどうにかならないものかと思ってしまう(夢苦笑)。
オリエンタルランドには、少子化に当たっての大人向けの開拓よりも、小さな子供たちにどう夢を与えていけるか(=行列地獄という現実に打ち砕かれないか)を考えてほしいものだ。
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