昨年(2012年)は我が国のみならず、世界的にPCがあまり売れなかったという。この手のものは前年比というパターンなので比較対象は2011年と思うが、私自身を振り返ってみても2011年はVAIO Z21(+PMD)を購入したが、2012年はまったく購入していない。当Blog及びそれ以前のWeb Page頃からお付き合いいただいている方々には言わずもがなだが、私はPCをはじめ各種ガジェット類に手を出(しては失敗)すことが多く、PCについては毎年購入していた。だが、ついに昨年はPCを購入することはなく終わった。
なぜか。もちろん、現在使用中のVAIO Z21は不満が多いので、この後継機を求めていたのは確かであり、実際にSONYはもとよりIBMもといLenovoやToshibaなどなど、Mobile PCに定評のあるメーカの新作は常に確認はしていた。しかも昨年はOSのWindows 8とマイクロプロセッサのIvy Bridgeとがリリースされ、本来ならこれら新製品が導入されたPCが多くのメーカからリリースされ市場が活況を呈する…はずだった。だが、現実は悲惨な結果に終わった。多数のPCはリリースされたところまではよかったが、私にとっての選択肢はないに等しく、却って減少していたのである。
私の求めるPCは、以下のようなものである。
- Mobile PCという形態であって、可能なかぎりスタイリッシュであること。
- マイクロプロセッサはできる限り高速なものが望ましいが、コア数が多い方を優先する。
- 独立GPUであること。
- 光学ドライブは内蔵していなくてもよいが、あった方がいいとは思う。
- ディスプレイは13インチ以上でかつフルHD以上の解像度を持つ。
- SSDは当然で容量は500GB以上。
- 重量は1.5kg程度まで。
- キーボードは邪悪な日本語配列ではなく、いわゆるUSタイプであること。
以上8つのうち、我が国で調達する場合、最も敷居の高いのは最後のUSキーボードであること、という条件だ。今では、USキーボードの選択がほとんどなくなっており、そうなるとUSモデルの調達を考えたくなるが、重量の面で妥協しなくてはならなくなる。一方で、Intel社の推奨するダサいUlrtabookなるものが蔓延しつつあり、とてもではないがこんなものは箸にも棒にも引っかからない(上に列挙した求めるPCとはあまりに乖離しすぎている)。
そんなわけで、購入する意図は持っていたのに求めるものがなかったために手を出せなかったのが2012年の状況だった。Windows 8やIvy Bridgeは二の次だったのである。
そして、我が社を見ても2012年はタブレットが次々と浸食していった一年だったと言える。PCについては、事務部門を含めたWindows 7への完全移行は2011年までに終了し、Windows 8については完全に無視を決め込んでいる。インタフェースが大きく異なり選択肢がなくなったこのダメOSについては、パフォーマンス云々どころではなく、否応なしに使わざるを得ない一般人には敷居が高く、生産性が落ちることは明らかだからだ。たかがPCのパフォーマンスが多少上がったところで、結局は人が操作するところで戸惑いが発生すれば、そんなものは帳消しどころかマイナスにしかならない。タブレットもどきになったことで、さらに簡易なタブレットマシンとは勝負にもならず(Windows 8 PCがいくら起動・終了が早いといってもAndriodやiOSマシンと比べるまでもないだろう)、PCとしての長所も損なうようではどっちつかずの役立たず、というわけである。
つまり、中途半端なUltrabook仕様がハードウェアの魅力を損ない、同じくどっちつかずの役立たずなWindows 8がソフトウェア(ユーザインタフェース)の魅力を消し去っているのだ。いくら新製品だといっても、こんなものでは手の出しようがない。新たに必要に応じて(使用しているものが壊れたとか、買い換えの時期にあたったとか)購入するなど、特別な事情がない限り需要を喚起することは不可能だという印象だ。
市場の拡大を求め、旧来のユーザに見放される対策を打ち出した結果が、新規ユーザの取り込みができず、従来のユーザからは見捨てられ消えていったものは数多い。確かに革新は重要だが、それ自身に革新性を持たない(持てない)ものは、消えゆくかあるいはそこにとどまり続け生きながらえるしかない。タイトルとはちょっと外れてきてしまったが、タイムアウトなので今回はここまで。
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