大日本絵画さんがやってくれた。もう20年以上前に出版された「BLITZKREIG IN THE WEST THEN AND NOW」の邦訳版「西方電撃戦: フランス侵攻1940」を出してくれたのだ。
本書は、数多あるJean Paul Pallud氏の著作のうち、私が最も興味を抱いていた1冊であるが、原著の膨大な長文に圧倒され、購入を控えていた(かつての若い頃)。そして幾星霜。邦訳版が出るという話を聞いて、すぐさま(とは言いながらなかなか多忙だったので本当にすぐさまではなかったが)購入した次第。12,600円という価格は、確かに高額の部類に入るが、本書を見ればそれもわかろうというもの。
判型がA4ほどの──書籍としては大型──大きさにこの細かい字。原著はさらに細かいので、若い頃に圧倒されたのはよくわかる(苦笑)。説明はもちろん、豊富な写真(定点比較も多い)や図面など、どのような状況下で行われたかもよくわかる。何より驚異的なのは、西部戦線のフランス降伏までのそれほど長くない期間を600ページを超える圧倒的な濃さで展開していることである。
といったところで、今回も簡単にここまで。
英仏の同盟国であるポーランドを守るための資金をマジノ線につぎ込んだ結果があの体たらくです。アルデンヌの森を戦車が通過することは不可能であると第一次欧州大戦の英雄であるフランス軍の元帥の主張に反論することができず惨めな結果を生んでしまいました。独ソ不可侵条約でノモンハンの後で煮え湯を飲まされて、平沼議員の父君の総理は欧州の天地は複雑怪奇の迷言を残して辞職したにもかかわらず、かくかくたる戦果に幻惑されて道を過ったのも昨日の出来事のように憶えています。マスコミに煽られた大衆により当時の日本でのヒットラーの支持率が70パーセント位に上昇したのも無理からぬことだったと思います。
投稿情報: 木造院電車両マニア | 2013/04/18 23:48
THEN AND NOW シリーズとして翻訳がでるのは
3冊目になりますね。
自分も気になってはいたのですが、ネット上での評判
を見て買いたくなってきました。
このシリーズでマーケットガーデン作戦のもあるそうなので
翻訳してほしいです。
投稿情報: 二等兵 | 2014/12/30 11:42
コメントありがとうございます。
ここまで密度の濃いものは、そうそうないのではと思います。実際、当時を知る人たちがいらっしゃるうちにこの手のものを出していかないと、エセ歴史家による「なかった」的な議論が出るのは必至ではないかな、と。
投稿情報: XWIN II | 2015/01/02 08:05