先日、自称Quadコアプロセッサとして、Xeon 5300シリーズが発表されたばかりのXeonだが、デスクトップ系列と違って、ブランド名がここ数年Xeonから変わっていない。プロセッサ・ナンバーの導入によって、それ以前よりはわかりやすくなった感はあるが、それでもナンバーによってどこがどう違うのかというのはわかりにくい。それというのも、AMD社のOpteronの攻勢によって、矢継ぎ早にDualコア導入、Coreマイクロアーキテクチャへの移行、さらにはQuadコアと昨年後半から今年に入ってのXeonは、様々なプロセッサコアが入り乱れる尋常ではない状態になっているからである。
現在、Xeonの系列は大きく分けて以下のようになっている。
- Xeon 7100シリーズ(2006年8月29日正式発表)Tulsa
- Xeon 7000シリーズ(2005年11月1日正式発表)Paxville MP
- Xeon 5300シリーズ(2006年11月14日正式発表)Clovertown
- Xeon 5100シリーズ(2006年6月26日正式発表)Woodcrest
- Xeon 5000シリーズ(2006年5月23日正式発表)Dempsey
- Xeon 3000シリーズ(2006年9月28日正式発表)Conroe
以上はプロセッサ・ナンバーが付けられたもののみで、プロセッサ・ナンバーが付与されていない現役のXeonも忘れてはならない。
- 64-bit Intel Xeon MP(2005年3月30日正式発表)Potomac、Cranford
- Dual Core Intel Xeon(2005年10月11日正式発表)Paxville DP
- Dual Core Intel Xeon LV(2006年3月15日正式発表)Sossaman
- 64-bit Intel Xeon(2005年2月15日正式発表)Irwindale
全部で10系列。これらが皆、Xeonを名乗っているのだから混乱してしまう。実際、インテル日本法人のウェブにあるXeon紹介のページでも、このような誤りを見つけることができる。
赤い丸つけたところをご覧いただくとわかるが、リンク先ではデュアルプロセッサという紹介となっており、これがデュアルコアと混同したことは想像がつく。何でもかんでもデュアルコアプロセッサ以上にしたい気持ちはわからないではないが、このような勇み足は誤解を招くので、早急に修正した方がいいだろう。正しくは、「64ビット インテル Xeon プロセッサー」となる。
と、横道にそれてしまった。これら10系列をDP(Dual Processor)系とMP(Multi Processor)系に、分けてみることから始めよう。これは、次のようになる。
- Xeon MP系
Xeon 7100シリーズ(2006年8月29日正式発表)Tulsa
Xeon 7000シリーズ(2005年11月1日正式発表)Paxville MP
64-bit Intel Xeon MP(2005年3月30日正式発表)Potomac、Cranford
- Xeon DP系
Xeon 5300シリーズ(2006年11月14日正式発表)Clovertown
Xeon 5100シリーズ(2006年6月26日正式発表)Woodcrest
Xeon 5000シリーズ(2006年5月23日正式発表)Dempsey
Dual Core Intel Xeon(2005年10月11日正式発表)Paxville DP
Dual Core Intel Xeon LV(2006年3月15日正式発表)Sossaman
64-bit Intel Xeon(2005年2月15日正式発表)Irwindale
残り2つは、どちらにも該当しない。Xeonブランドであるにもかかわらず、シングルプロセッサ(Uni Processor)のみ対応となっている。だが、どちらもデュアルコアプロセッサなので、デュアルプロセッサ系と言えなくもない。これをXeon UP系とすると、
- Xeon UP系
Xeon 3000シリーズ(2006年9月28日正式発表)Conroe
と分けることができる。これを一瞥して言えることは、AMD社のプレッシャーを受けて、急いで(慌てて)リリースしている様子が伺えよう。
と、ここで次回に続きます。
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