Intel社は15日、ほぼ予定通り、IA-32及びIntel 64(AMD 64)プロセッサとしては初となるQuadコアプロセッサ、Core 2 Extreme QX6700 2.66GHz(コードネーム Kentsfield)とXeon 5300シリーズ(コードネーム Clovertown)を正式発表した。という格好だが、真のQuadコアプロセッサではなく、Dualコアプロセッサのダイを2つ組み合わせたものであり、ダブルDualコアオンチッププロセッサと呼ぶのが相応しい。製造プロセスは言うまでもなく65nmプロセスなので、チップ上に占めるコアの割合は従来のCoreマイクロアーキテクチャのものの2倍となっている。わかりやすく言えば、「Core 2 Duo × 2」である。
Core 2 Extreme QX6700(Core 2.66GHz/FSB 1066MHz)は、これまでのCore 2 Extremeシリーズの最高クロックである2.93GHzよりも266MHz低くなっているが、この理由としては消費電力増大による発熱量が最も大きなものだと思うが、もう一つは2.93GHz以上のものを出せるように、ハイエンドの上積みの余地を残しておこうというものだと予想される。このことは、裏を返せば、さすがのMerom/Conroeコアとはいえ、2つ(コアとしては4つ)も搭載してはNetBurstマイクロアーキテクチャベースのコアと同様に発熱量が厳しいということだろう。
もう一方のXeon 5300シリーズは、Dualプロセッサシステムまで利用可能なプロセッサであり、けっしてハイエンドに特化したプロセッサではない。今回発表のものは4つのグレードに分けられ、それぞれX5355/E5345/E5320/E5310とナンバが与えられている。最高のXeon X5355(Core 2.66GHz/FSB 1333MHz)だけがX(エックス)で、残りのE5345(Core 2.33GHz/FSB 1333MHz)、E5320(Core 1.86GHz/FSB 1066MHz)、E5310(Core 1.60GHz/FSB 1066MHz)がEとなっているのは、最大TDPの違いのみを表しており、Xが120W、Eが80Wとなっている。これらはすべて既存のXeon 5100シリーズ対応のIntel 5000チップセットが利用可能であり、プラットホームの選択に問題はない。
以上、明らかなように、Quadコアプロセッサ…というかダブルDualコアオンチッププロセッサになったことで、基本的に同じプロセッサコアが2つから4つに増えたことで、マルチタスクマルチスレッド対応ソフトウェアのパフォーマンスは大きく向上している。Intel社も大きくそれを主張し、ベンチマークテストの結果を大々的に打ち出している。何の最大70パーセント増とか、4.5倍増だとか、ベンチマークテストの種類によってそうなるのは間違いないだろう。
しかし、同じCoreマイクロアーキテクチャを採用するCore 2 Extreme X6800(2.93GHz)やXeon 5160(3GHz)よりもコアクロックで劣っている。このため、たとえばWindows MeやDOS上においては、逆にパフォーマンスは低下する。もっとも、DualコアやQuadコアプロセッサをこういったOSで使うのが誤りであるのだが…(苦笑)。
そんなわけで、ダブルDualコアオンチッププロセッサによるQuadコアを名乗るプロセッサが登場した。対するAMD社は、真のQuadコアでしっかり対抗してほしい。早ければいい、というだけでないことを見せてほしいものだ。
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