SCEが昨日(27日)正式発表したNext Generation Portable(以下、NGP)は、その強烈なハードウェアスペックで度肝を抜いてくれたが、ほぼ同時期に予約が開始されたNintendo 3DSと比べると、どうにもこうにも数年前のWiiとPlayStation 3(当時はPLAYSTATION 3)との比較を思い出してしまう。現在、WiiとPlayStation 3との差は、その前世代のGameCubeとPlayStation 2との差は何だったのか?と思わせるほどの差が開いているが、WiiはSD解像度でハードウェアスペック的に大して見るべきものもなく、遊び方を変える=ライトユーザ指向という点で、ゲーム市場の土俵(ルール)を変え、その中での勝利者となった。
だが、私はWiiを所持しておらず、興味を持つようなソフトウェアもないプラットホームとしか見えていない。理由の第一は、高解像度のテレビ(モニタ)で、何で低解像度の汚いものを見なきゃならんのだということと、あの棒(コントローラ)が今一つということ、それにパーティゲームなんて20年以上前にPC(マイコン系)などでやりつくし感があるためだ。一方、PlayStation 3はあまりの価格の高さでゲームユーザですら腰が引けてしまう(私もその一人で、発売後1か月後くらいに入手したが、単に売れていなかったので思わずボーナス時期に買ってみた程度)ものであり、PlayStation 2のゲームが高解像度にアップできるという点だけがウリと言ってよかったように思う。あれから4年以上が経過し、ようやくソフトウェアについてはそこそこ出てくるようになっているが、いかんせん初速が大事なこの世界。Blu-rayも思ったほどは伸びていない(完全地デジ化以降か?)ので、PlayStation 2の時のDVDのようには行っていないのが厳しい現実の一面にも映る。とはいえ、最初の価格が59,800円とか69,800円では、そもそも無理があったとしか言いようがない(更に言えばもとはもっと高価の予定だったし、発売延期も繰り返されていたのでマイナスイメージがついて回っていた)。なので、WiiとのPS3の戦いは、戦う前からPS3がコケていたという見方も強ち誤りでもないと見る。
で、Nintendo 3DSとNGPである。Nintendo 3DSは、Wiiにおけるあの棒にあたるものが裸眼3Dであるのは疑いない。逆に言えば裸眼3Dをなくしてしまったら、それはただのDS(DSi)でしかない。遊び方を変える、というインパクトが裸眼3Dにあるのかどうかは何とも言えないが、少なくとも私はまったく興味が湧かない。子供の頃(30年以上前)に3D映画体験(無論、赤セロハンと青セロハンのめがねで)したから、という負のイメージがあるからというだけではない。だいたい、ディスプレイは平面(2D)なのだから、ここに3Dを見せるようにするには2D上での3D表現(3Dではないが、奥行きがあるように見せる遠近法のような表現方法)なら、ユーザ視点でいかようにもなるが、疑似3D表現(左右の目の錯覚から3Dのように見せるため、もとの画像=片目で見た画像は見るに堪えないものとなる表現)では、目の錯覚に依存し続けるため、目の疲れが増すのはもちろん、視点変更すら厳しいものとなる。映画館のようにある程度の視点変更が許容されるほど大きな画面ならいいが、携帯ゲームのような5インチ未満のものでは困難だ。もっとも「ゲームは一日一時間」というルールを徹底させるために目の疲れを煽る表現方法なら、わからないではないが(苦笑)。
そんなわけで、私はWiiの棒と同じようにNintendo 3DSの疑似3D表現には興味がないし、そもそも3D自体に信用を置いていないので、Nintendo 3DSは見送りである。で、もう一方のNGPはPokect PS3というほどに高いハードウェアスペックを持っているので、大いに期待はしているが、WiiとPS3との戦いと同じような推移になりはしないかという心配はある。そう、最大の問題はNGPの価格と量産体制にあると言っていいだろう。
では、NGPの価格はいくらくらいがいいのだろうか。もちろん、エンドユーザにとって安ければ安いほどいいのだが、それだけの対価を払ってもいいと思わせるだけの価格となるだろう。私的には、Nintendo 3DSが25,000円というのは携帯ゲームとしては高すぎると見ているが、それは「たかが疑似3Dのために」なんで5千円も出さなきゃならんのさという想いがあるからだが、これは疑似3Dの価値をどれだけ評価するかで高い安いの評価が定まるので、個人差があるのは否めない。そういう前提で私的には3G回線契約を抜きにした単体価格は24,800円。3G回線契約については、NTT DoCoMoが絡むのかは興味がないが、それなりのプレミア価格とすれば初速は確保できよう。とはいえ、量産体制とのバランスもあるので、なかなか難しい設定となるのは間違いないが…。
最近は携帯電話にレベルの低いゲームが横行しているが、ライトユーザはこれで十分なのだろう(ライトユーザになったことがないのでわからない)。携帯電話のハードウェアスペックも上がり続け、スマートフォンでは一昔前のPC並にスペックが上がっているのも確かである。それに抗するには、やはりハードウェア能力の向上を図り、簡単に追いつかれないようにするという方法は「20世紀の手法」ではあるが、私はやはりいいソフトウェアはいいハードウェアでなければ実現できないと思う。そんな様々なことを徒然と思いつつ、今回はここまで。
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