昨年、いや一昨年12月にPS3をプラットホームとしてリリースされ、昨年末にはXbox360版でもリリースされたFINAL FANYASY XIII(以下、FFXIIIと表記)の続編として、FINAL FANYASY XIII-2(ファイナルファンタジーサーティーンツー。以下、FFXIII-2と表記)が2011年中に発売されるとスクウェア・エニックスから18日に発表された。プラットホームはPS3とXbox360で、続編が同一プラットホームに向けてリリースされるのは、PS2版のFINAL FANTASY X(以下、FFXと表記)の続編として登場したFINAL FANTASY X-2以来の二度目となる。ただ、FFXの時とは異なり、FFXIIIではプレイされた方なら自明のように単にプロローグに過ぎなかったことから、このような展開となることは当然予期されたものであり、私のプレイ直後の感想でも「とりあえずFF13完全版をよろしくお願いいたします(臭笑)」としたが、この展開は多くの人達が予想したものだろう。バトルシステムや映像の美しさは「流石」の一語であるが、肝心のお話し(北米では我が国や欧州と違ってどうでもいい要素らしいが)が「???」であったので、今度こそ、という期待を持っている。
そもそも、FFXIIIには「FINAL FANTASY Versus XIII」という本作とは別の作品が当初から示されており、この他にも予定されているようだが、FFXIII-2は予期せぬ作品であったろう。だが、FFXIII-2をFFXIIIの続編として出さざるを得ない理由は、スクウェア・エニックスという企業体からすれば至極当然の理由、開発費の回収となるのではないだろうか。
詳しいことは当事者でも何でもないので、単なる戯れ言に過ぎないが、FFXIIIはPS2向け作品としてリリース予定だったものをPS3向けに変更するなど、開発当初から大きく軸足を移動し、総開発期間としてはゲームとしては異例の5年以上を費やしていると見込まれる。どれだけの人材・資材を投じたかは知らないが、間違いなくFFXIIIの販売実績等だけで回収できたとは思えない。また、リリース時期を2009年クリスマス商戦に合せたことで、大量に捨てられた(FFXIIIに登場しない)ものも多く、結果として一本道プロローグ(適当な想い出話の合間に一つのバトルダンジョンを挟み込む)と勝手に遊んで下さい広大エリア(バトルシステム好きはここで存分にお楽しみ下さい的プレイヤー丸投げシステム)しか遺らなかった。これを面白かったと評価するプレイヤーはいないわけではないだろうが、少数派だと思う。無論、細かく細分化された開発者の多くは全貌を発売されたゲームとしてしか確認のしようがなかったろうが、「こんなものしかできなかったのか?」という想いもあったと思う。
企業体、プレイヤー、そして開発メンバーのいずれもが、FFXIIIはこんなものじゃない!とすれば、FFXIII-2の存在価値はある。思うに、このようなスタンスは既にバンダイナムコゲームスがリリースするテイルズオブシリーズに見ることができる。続編、という形ではないが、他プラットホームでリリースされた作品を「完全版」としてブラッシュアップリリースする手法は、何作も重ねられている。この手法については賛否両論あるが、私は放置されたままにされておくよりは良いものだと思う。「移植」という作業は以前からあったわけで、それを「完全版」と置き換えただけであり、まったく同じ「移植」版であるよりは、ブラッシュアップしたり追加要素はあってしかるべきと考えるからだ。
テイルズオブシリーズよりもはるかに開発規模の大きいFFシリーズで、このような手法が採り入れられるのも時代の流れだろう。続編であれば、一からポリゴンモデルを作る必要もなく、多くのものが流用可能だろう。また、どのような舞台設定なのかなどはプレイヤー側からの理解度も高くなっていることから、あまりに置いてきぼりは辛いところだが、続編ならではの良さがあるのも確かだろう。そんな期待を持ちつつも、本当に大丈夫なんだろうかという心配を併せ持ちながら、今回はここまで。
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