消費増税後、書籍として初めて購入したのは「江戸・東京の都市史 近代移行期の都市・建築・社会」(著:松山恵、発行:東京大学出版会)。以前より出るのはわかっていたが、4月上旬という時期は有無を言わさず増税後なので、結果的にそうなったといえる。奥付は、2014年3月31日発行となっているのだが…(年度内予算執行上の都合でこの日付かな…と予想)。
では、目次をピックアップしてみよう。
序章 近代移行期の都市空間と社会文化形成
第Ⅰ部 首都化――「郭内」における「輦轂の下」の表出
第1章 「郭内」と「郭外」――首都・東京の祖型
第2章 再考・銀座煉瓦街計画
第3章 「皇大神宮遥拝殿」試論
第Ⅱ部 明治東京、もうひとつの原景――「郭外」の諸相
第4章 明治初年の場末町々移住計画をめぐって――交錯する都市変容の論理
第5章 旧幕臣屋敷の転用実態――朝臣への払下げと町人資本による開発
第6章 日本各地の「神社遥拝所」の簇生について
第7章 広場のゆくえ――広小路から新開町へ
第Ⅲ部 江戸-東京と近代都市計画
第8章 東京市区改正事業の実像――日本橋通りの拡幅をめぐって
第9章 東京市区改正条例の運用実態と住慣習――土地建物の価値をめぐる転回とその波紋
結章 江戸から東京へ──都市空間の再編とその成立
ご覧のとおり、江戸から東京に移行する明治初年期(=激動の時代)、どのように都市化が進んでいったかを論じている。まだ、第Ⅰ部まで読み進んだだけだが、理系の歴史語りといっていいのか、何と形容していいのか何ともいえないが、私的には読みやすい(受け取りやすい)といった印象である。
で、残念な点を一つ。せっかくの図版が、こういった書籍になってしまうと小さかったり、モノクロに抑えられたり等で見にくくなってしまうのだが、それを考慮したように見えない掲載方法であるということである。著者に責任があるというよりは編集者の方かな…とも思うのだが、もうちょっと見やすくする工夫がほしかった。解像度が合わないものもあるなど、明らかに初歩的なミスもあって、図版あってこその本書であると感ずるだけに「残念」としつつ、今回はここまで。
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