わかりきっていることとはいえ、立場が異なれば見方が変わる。今朝(10日)6時からのNHK BS1のワールドWaveで、ここのところ毎日報道されているウクライナのデモについて、独ZDFと露RTRでまったく真逆な報道だったことから、改めて情報の価値、そして報道の内容について慮ることとなった。
ウクライナのデモは、EU加盟の前提となる交渉に政権が不参加を表明したことから大きくなっているが、ウクライナ自身、東側は親ロシア、西側は親ヨーロッパと大きく分かれており、そもそも一枚岩ではない。現政権は親ロシアであるので、「EU加盟の前提となる交渉に政権が不参加を表明する」のは自明であるが、そうなればウクライナの西側国民が反発するのもまた自明である。
首都キエフでの大規模デモに対し、政権は警察等を配備し、一触即発の状況にあると現地からの報道は共通するが、なぜこのようになってしまっているのか、という背景説明はそれぞれの立場によって当然異なる。
独ZDFでは、当然EU加盟の前提となる交渉を政権が行わないことに対する国民のデモであることを強調し、野党指導者にも好意的な報道を行っている。一方、露RTRでは、レーニン像が倒されたことをキーに、これを行っているのは民族主義者であり、70年前のナチスドイツと提携したことを思い出せと言わんばかりの過去の映像を流しながら、野党指導者へフラッシュバックさせる。10分ほど前に見た独ZDFでの野党指導者と、露RTRでの野党指導者が同一人物とはとても思えないほどの扱いである(同じ映像のはずなのだが)。
肝心のウクライナ自身の報道がないので何とも言えないが、政権寄りの報道であろうことは予想できる。あまりの違いに愕然とした独ZDFと露RTRの報道っぷりだが、唯一の共通点と言えるのは、現地からのレポーターが「とても寒そうな格好をし震えながらのレポート」だったことだ(苦笑)。マスコミに流されず、しっかりした知識を持って自分の頭で考えることが大事だと改めて感じつつ、今回はここまで。
「ウクライナ自身、東側は親ロシア、西側は親ヨーロッパと大きく分かれており、そもそも一枚岩ではない」という考え事態は、ロシア贔屓のマスコミによって作られたものですが...
投稿情報: ウクライナ人 | 2014/01/20 15:39
ウイキでウクライナのところを見ましたが、あまりにも複雑で日本人には一寸難しいような気がしますが、横綱の大鵬の父がウクライナ人であったことを知りました。日本人とも縁があるのだなと投稿した次第です。
投稿情報: 木造院電車両マニア | 2014/01/21 23:39