日本マイクロソフトは、昨日(29日)に北米や中国等で発売されている「Surface Pro」の国内販売を6月7日から行うと発表した。タイミング的に遅いんぢゃね、と思うが、それはハードウェアスペックが──
- マイクロプロセッサ …… Core i5-3317U(1.70GHz、コア数2、キャッシュ3MB。IvyBridge)
- メインメモリ …… 4GB
- チップセット …… Intel HM77 Express
- ディスプレイ …… 10.6インチ 1,920×1,080ドット
- SSD …… 256GB(または128GB)
- 本体サイズ …… 275mm × 173mm × 14mm
- 重量 …… 0.907kg
とあるように、来月登場のHaswell搭載でないのは当然だが、逆に言えばより省電力性能が高いマイクロプロセッサを搭載した後継機種が近日中に出る可能性がそれなりにある、ということである。さらに「う~ん」と唸らざるを得ないのが重量で、約0.9kgというとあの軽量PC LaVie Zの875gと同等となる。タブレットでありながら最軽量クラスとはいえ、ノートPCに劣るというのは厳しい。これに加えてキーボードを別途用意すれば、確実にSurface Proの方が重くなるのだ(30g程度の差であれば同じようなものという感覚だろうが、100g超=1割以上重いとなればその差は間違いなく感ずる)。形状はタブレットだが、iPadですら重く感ずるようなユーザであれば耐えがたい重さであるだろう。私もけっして細腕というわけではないが、900g程度のものをタブレット然として使い続けるのはキツいと感ずる。デスクの上に置いて使うというイメージだろうか…(専用スタンドも付いているし)。
一方、OSが64-bit版Windows 8 Pro、そして Microsoft Office Home and Business 2013(これ、64-bit版でなく32-bit版なのかな…? 64-bit版が選択できるのならうれしいが)が標準搭載されるというのは、ビジネス用途としてはこの上もなくありがたい。本音を言えばAccessも入っててほしかったのだけど。
肝心なのは価格で、最近の円安傾向からすれば安く感ずる価格設定だが、12万円前後というのは先日の東芝さんから登場した高解像度Ultrabookと比べても大差ない。他のUltrabook仕様のものと比べるのはアレかもしれないが、割高感が強いのは避けられない。Office標準搭載で他地域と比べて安価であるという主張も、マイクロソフト世界内での話であって、他メーカのものと比べればそんなことはない。ハードウェア企業との兼ね合いもあってアグレッシヴな価格設定ができない気持ちは痛いほどわかるものの、そんな余裕はあまりないのではないかと見る。
発表直後は即買いでしょと思ったが、よくよく見ていけばそんなに魅力的だとは感じなかった。結局のところ、WindowsにおいてはDOS的なものを継承し続けているように(インタフェースレベルで言えばコマンドプロンプト)、マウスオペレーションとタブレットオペレーションを併存させながら移行するしかない。帯に長し襷に短しとならないように祈念しつつ、今回はここまで。
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