単純計算です。一年間同じ(ここ重要)だと仮定します。一般人の年間被曝限度量は、1,000マイクロシーベルト(μSv/Year)とされているので、一時間あたりに換算すると
1000μSv/year ≒ 365(日) × 24(時間) × 0.114μSv/h
と近似計算できることから、一時間あたりの上限は毎日一年間同じ放射線量を被曝し続けるという前提に立てば、約0.114μSv/hとなります。
しかし、この単純計算は一年間同じ観測値で被曝し続けてという前提であり、また放射線量は観測地点(一般的に屋外)でのものなので、0.114μSv/hを超えたら即、年間被曝限度量を超えてしまうとはなりません。屋外と屋内ではまったく観測量は異なりますし、室内の場合は多量の放射性物質を身近に置かない限りは、なかなか観測値まで持って行くことが難しいでしょう。
とはいえ、福島第一原発西門あたりの260~280μSv/hという観測値は尋常な値ではありませんし(4時間ほどで年間被曝限度量に到達)、30km圏内でも二桁程度(数十μSv/h)は観測されていそうなので、この状態が長く続くことは許容できません。どういう結果が待っているかは何とも言いようがありませんが、闇雲に安心神話を伝えるのではなく、確実な情報と対応策をしっかりとそして迅速に伝えてほしいものです。
2011年3月19日午後追記
東京電力から公表された19日午前11時時点として発表されたモニタリング結果を見ると、第一原発の西口は一時(いっとき)800μSv/hを超えたりするなど悪化しているようです。また、同じく第一原発の事務本館北は3000μSv/h超という、とんでもない値となっています。さすがに直近では凄まじい放射線量だとなりますね。
2011年3月20日午後追記
肝心なことをふれずじまいでした。それは自然放射線のことです。地球上の大地(岩石)にはU(ウラン)、Ra(ラジウム)、40K(カリウム40)等の放射性物質を微量に含んでおり、我が国の平均値は約400μSv/Year(約0.046μSv/h)です。また、大気中の放射線もあります。大地(岩石)やコンクリートに含まれるRaはRn(ラドン)に崩壊するので、建物の気密性や換気具合にもよりますが、呼吸から体内に取り込まれる平均放射線量は、大地からのものとほぼ同じく約400μSv/Year(約0.046μSv/h)です。さらに航空機に乗っているときに直撃を受けやすい宇宙からの放射線(宇宙線)も忘れてはいけません。これは高度や緯度にも左右されるので一概に言いにくいのですが、我が国の平均値は約300μSv/Year(約0.034μSv/h)とされています。この他にも食品に含まれる40Kの存在もあり、これも摂取量からの平均放射線量は約400μSv/Year(約0.046μSv/h)なので、これらを合わせると0.17μSv/hは被曝していることになり、一般人の年間被曝限度量を超えます。(あくまで単純積算上です。)
私の同級生で応召されて、原爆投下の直後に救援のために広島市内に派遣されたときの話の中で、分隊長の髪の毛が抜け始め、けだるさを訴えていた話を聞きましたが、本人は何の健康に支障がありませんでした。私も招集されて同じ師団に配属されましたが広島には派遣されませんでしたので無事でしたが、その後自動車事故で死にかけました。終戦直後に被爆調査のために派遣された米兵の中で原爆病を発症した者がいると新聞記事で読みましたが、残留放射能がどのくらい継続するのか分かりませんが、かなり個人差があるような気がします。発症する迄かなりの日月を要するので結果を検証することができるのはかなり先の話になるのでしょうか。
投稿情報: 木造院電車両マニア | 2011/03/19 13:03
一般人の年間被曝限度量
この、限度量という言葉には疑問を覚えます。
この値、医療を除くとなっていますが、CTスキャン1回で6,900μSv、胃のX線撮影でさえ600μSv。
普通に社会生活をしていれば簡単に浴びてしまう値を大きく下回っています。
医療に限らずともブラジルのカラバリの自然年間放射線量10,000μSvですが、住民は普通に生活しています。
飲料水の乳児への基準値も、日本の一般環境で1/5000での発生確率に対し、チェルノブイリでの知見で1/10000の発生確率増加が起きない事を目途とした値です。
安全側に余力を持つ事は重要ですが、基準値の言葉と値は、もうちょっと現実を見て然るべきなのではないかと思います。
投稿情報: 夢望騎士 | 2011/03/25 23:52