自分自身の備忘録的な意味も含め、以下に米国の原発敷地境界の線量率基準と我が国の原子力災害対策特別措置法が示す(具体的数値は政令=原子力災害対策特別措置法施行令で定められている)放射線量の基準と数値を記す。<出典:「原子力施設等の防災対策について」(昭和55年6月、平成22年8月 最終 一部改訂。原子力安全委員会)>
敷地境界で 0.05~0.1μSv/h(平常時)
敷地境界で 1μSv/h が 60分(異常事態の通告)
今後の操作員のミス、設備の故障によってはもっと深刻な事態となりうるか、あるいは現時点では明らかではないが、もっと深刻な事態となりうる兆候を示す小さな事象(プラントの安全水準の低下の可能性がある場合)。事業者は、NRC、州等へ連絡。
敷地境界で 5μSv/h が 10分(原子力災害対策特別措置法第10条→通報義務)
敷地境界で 100μSv/h が 15分(アラート)
今後の操作員のミス、設備の故障によってはもっと深刻な事態となりうるか、あるいは現時点では明らかではないが、もっと深刻な事態となりうる兆候を示す小さな事象(プラントの安全水準を大幅に低下)。事業者は所内体制を敷き、所内モニタリング準備。NRC、州等は緊急時待機状態に入る。
敷地境界で 500μSv/h が 10分(原子力災害対策特別措置法第15条→緊急事態宣言)
敷地境界で 1000μSv/h=1mSv/h が 15分(サイト緊急事態)
有意な放射性物質の放出が発生しつつあるか予測される。緊急時活動が本格化し、所外モニタリングやNRC、州も加わった対応策の協議が開始。
敷地境界で 10000μSv/h=10mSv/h が 15分(一般緊急事態)
炉心の損傷や溶融が現実に生じているかあるいは差し迫っている場合。避難等の活動展開。
以上。
というわけで、福島第一原発西口では今なお常時250~300μSv/hで、10日あまりこの状態が続いているのだから、いかに緊急事態なのかがわかる。今は再臨界・爆発(最悪の事態)を食い止めるのに精一杯だが、放射線や放射性物質の拡散を防ぐという対応も急がれる。
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