前回の続き──というか、なかなか好評だったようなので、他の写真も合わせてご覧いただこう、という趣旨である。
まずは高架線に寄り添うような形で建つマンション。これからわかるように京急蒲田駅の上階は、地上7~8階に相当する高さであることがわかるだろう。
なお、当たり前だが模型で見れば、それほどの圧迫感を感ずることはない。ちなみにこの模型で上写真のマンションは左下方に見える直方体がそれである。接近していることは間違いないが、圧迫感まで演出することは写真で不可能なのだから、模型では言わずもがなである。
さて、駅はもちろん周囲も工事中であるので、いたるところ暫定版的扱いが見られる。京急地上時代から線路を挟んだ東西交通は地域の懸案だったろうが、それは工事進捗段階でも同じこと。いやそれ以上だろうと伺えるのが、この「公共地下道もご利用下さい」という案内図。ちょっと見にくいが、この下にも何枚か過去の案内図が貼られており、工事の進捗によって次々と案内図が変化した様子が確認できる。これも高架化完了の暁には、当然過去のものとなるだろう。
そしてもうじき見られなくなるであろう、京急蒲田駅北側の地上を走る京急線。意識して高架部分を狙ったつもりだったが、入りきらなかった(苦笑)。それだけ高いところに線路があるということなのだろう。
そうそう、肝心の京急蒲田駅部分。将来ここにペデストリアンデッキができ、駅前広場になる予定とのことである(上写真の模型を参照)。
それはそうと、京急蒲田駅が位置する地元の東京都大田区は、「「拠出金の打ち切りも検討」 京急蒲田駅通過問題で大田区長が会見」として、エアポート特快が京急蒲田駅を通過する(停車しない)ことを問題視しているが、これだけ大規模な工事を計画段階から長年一緒にやってきて「寝耳に水」とは逆にどうなっているのか?という疑問がある。地元の思いはあるだろうが、常識的に考えて羽田空港アクセスという観点から見れば、京急蒲田駅に停車する積極的な理由は何もない。そもそも現在の本線からの空港線への接続方法が悪いため、やむなく京急蒲田駅に停車していたに過ぎず、これを解消する目的の一つが高架化工事であることは、部外者の私の目から見ても明らかである。つまり、危機意識がまったく大田区側に欠如していたことは自明で、京急電鉄が大田区に不利となることを自分から言うはずがないのも企業であるのだからこれも自明であり、結論としては「交渉」能力が著しく不足しているとなるだろう。営利に疎いお役所だから、仕方がないと言えなくもないが、京急電鉄の方が一枚も二枚も上手だっただけのことである。この期に及んであれこれ騒ぐ方が見苦しいので、早く責任の所在を明らかにした方がいいのではないだろうか。
ま、脳天気なお役所仕事はいつものことなので、いちいち騒ぐほどのものではないとしつつ、今回はここまで。
特急通過の問題は大田区としても面目丸つぶれでさぞかし悔しかったでしょう。しかし商店街の真の活性化に繋がるものは蒲蒲線ですがそれも環八の地下を通過して京浜蒲田を通過せず糀谷辺りで連結されしかもゲージが異なるため直通が不能ですので、私の考えとしたら蒲田と京浜蒲田の間のシャトルバスでも運転する方が投下資本が少なくて住むと思います。
投稿情報: 木造院電車両マニア | 2010/05/19 14:01
木造院電車両マニア様、コメントありがとうございます。
蒲蒲線…。
私が思うに、旗ヶ岡←→東洗足の乗り換えが不便だったことで商店街の発展を見たように、もしJR蒲田駅・東急電鉄の蒲田駅と京急蒲田駅が鉄道でつながってしまったとしたら、却って蒲田で降りる理由を失ってしまうのでは?と。
今でもJR蒲田駅及び東急電鉄の蒲田駅は、駅ビルの集客能力が高いように見えるので、これで京急蒲田駅へ鉄道がつながってしまったら、回遊性よりも極点集中が促進されるのではないかと思いますね。
蒲田という街そのものに外部の来訪者から魅力があったのなら、通過するのではなく、是非止めさせてほしいとなるでしょう。それを経済的な効率を無視してエゴを通そうとするのなら、リニア新幹線の長野県のようになるのでは…と。
なので、大田区の言い分は本末転倒であって、止まってもらえるだけの魅力的な街づくりが先ではないかな、と。
投稿情報: XWIN II | 2010/05/19 18:56
お説の通りです。商店街は消費者が訪れてみたくなるような魅力が無ければアクセスを改善しても繁栄しません。代官山は昔は寂しい住宅街でした。もう少しソフトの面も研究する必要があると思います。戦中から戦後の京浜工業地帯の繁栄を呼び戻すことは不可能でしょう。だからといって何を目玉にするかは小生にも見当が付かないのが正直なところです。
投稿情報: 木造院電車両マニア | 2010/05/19 22:19