前回の続きです。
パフォーマンス不足とはいいながら、VAIO Uは私的には、PDA等よりもよっぽど役立つ…いや楽しめるものだった。だが、VAIO U101には行かず、私が新たに求めたものは、VAIO Z。系列的には、505からZ505にわかれたなれのはて、いやブラッシュアップしたというべきか。パフォーマンス指向の薄型MobileノートPCという位置づけだと思う。私がこれまでメインで使っていたノートPCであるVAIO XR、VAIO GRの後継は、Pentium 4を搭載する巨大な4kgにも達する美しくない醜悪な巨大デスクノートPCとなっていた。ハイパフォーマンスノートPCにも行けず、また小型ノートPCにも行けず、やむなく選択したのがその中間ともいえるVAIO Zだったのだ。VAIO Zのカスタマイズモデルというべき、PCG-Z1T/Pの主要スペックは以下のとおり。
- Processor……Pentium M 1.6GHz(Code name Banias)
- Chipset……Intel 855PM
- 2nd Cache Memory……1MB(Processor on-die)
- HDD……60GB
- Memory……1GB(PC2100 DDR SDRAM)
- Graphics……ATI Mobility RADEON AGP(VRAM 16MB)
- Display……14.1-inch TFT LCD(1400 x 1050)
- Battery……3.5~6.5 hours
- Size……316mm x 23.8mm x 247.4mm
- Weight……2.1kg
- OS…Windows XP Professional Edition
実は、VAIO Zを選んだのは、Banias(Pentium M)搭載というのが最大の要因だった。Baniasは、Intel Developper Forumで紹介されてからというもの、一日千秋の想いで待ち焦がれていたプロセッサであり、実際、パフォーマンスはこれまで手にしたいかなるノートPCすべてを凌駕していた。それもベンチマークテストでわかるというレベルではなく、体感としてはっきり認められるものであり、デュアルプロセッサ環境のXeonマシンよりも、場合によってという条件付きではあったが、優れていると明らかにわかるレベル。今のCore 2 Duoに通ずるBaniasの実力は本物であり、このリリースによってTransmeta社のCrusoeは、消費電力でもパフォーマンスでも敗北が明らかになり、静かなる死を迎えたのは周知のとおりである。
プロセッサがBaniasでなかったなら、VAIO Zの選択は消極的なものであり、どっちつかずのものを選択せざるを得ないという点で納得のいくものではなかった。だが、Baniasの後継となるDothanが出ても乗り換える気は起きず、VAIO Zへの満足感は失われることなく、三年間という私としては比較的長期にわたって、メインノートPCの位置を占めることになった。これは、反面、私にとって魅力的なノートPCがリリースされなかったことの裏返しともいえる。
しかし、VAIO Zから乗り換えをまったく考えていなかったわけではない。VAIO Zへの選択をBanias搭載がプッシュしたように、次に私が期待していたのは、真のデュアルコアプロセッサ且つMobileプロセッサであるYonahであった。
と、ここで次回に続きます。
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