前回の続きです。
YonahことCore Duoは、Baniasより始まるMobile専用プロセッサの集大成であった。BaniasはP6マイクロアーキテクチャを持つPentium IIIをベースに、省電力と効率的な命令実行を満たすべく、徹底的に改良が施されたプロセッサであり、それを継ぐDothanはプロセス微細化とわずかな改良にとどまるが、さらにそれを継ぐYonahは、シングルコアを二つくっつけただけの安易な作りでなく、真のデュアルコアプロセッサとして設計されたもの。当然、これを搭載したノートPCを使いたい、というわけで現在も継続して使用しているVAIO SZ、VGN-SZ90PSを購入したのである。この主要スペックは、以下のとおり。
Processor……Core Duo T2600 2.16GHz(Code name Yonah)
Chipset……Intel 945GM Express
2nd Cache Memory……2MB(Processor on-die)
HDD……120GB
Memory……2GB(PC4200 DDR2 SDRAM Dual Channel)
Graphics……nVIDIA GeForce Go 7400(VRAM 64MB + UMA 256MB)
Display……13.3-inch TFT LCD(1280 x 800)
Battery……7 hours
Size……315mm x 22.8mm x 234.3mm
Weight……1.69kg
OS…Windows XP Professional Edition
一番の不満は、液晶ディスプレイの解像度。1600 x 1200から1400 x 1050、そして1280 x 800とだんだん下がってきているにもかかわらず、必要となる解像度は上がってきている。13.3インチワイドの大きさであれば、せめて横1600くらいはほしいところ。だが、現実のノートPCを一瞥してもわかるように、そのようなものはほとんどない。
一方で、64-bitは以前にもこのBlogでふれたことがあるが、コンシューマクラスでは無用の長物である。Core 2 Duoは、Core Duoよりもパフォーマンスは引き上げられているが、基本的な部分での違いはまったくといっていいほどないに等しい。64-bit OSの意義を感じることが少ない現状においては(サーバ等は全く別)、Core 2 Duoになって失われたもの(省電力性能)は大きく、Core Duoがリリースされた頃には既にMerom(Core 2 Duo)のリリースが近いことは知っていたが、それでもCore Duo(Yonah)を選択したのは、このような理由からだった。
以上、VAIO十周年ということで、私的に使用してきたVAIOノートを振り返ってみた(三回シリーズの予定だったが、その倍となってしまった…)。次にノートPCを入手するとすれば、やはりプロセッサの変わり目、あるいはそのすぐ後に控えるプラットホームの変わり目となるだろう。最近は、同時に変わることなく、プロセッサが先行し、そのあとにチップセット等が更新される(あるいはその逆)という形となっているが、BaniasやYonahのような「これはっ!」と思うようなプロセッサの話が出てこない。コアが4つになるだの、新マイクロアーキテクチャが採用されるだの、色々な話は聞こえてくるが、Mobileプロセッサとして魅力的なものはないように思う。これは、Core 2 DuoがMobileプロセッサを出自としているからかもしれないが、そう考えるとこのVAIO SZとの付き合いはしばらく続くような気がする。
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