第一印象。やっぱり高いね。無理矢理追加した感の強いSSD 64GBモデルで91,800円(税別。8%の消費税を含むと99,144円)、SSDが128GBでは111,800円(税別。8%の消費税を含むと127,440円)からと、タブレットとは思えない価格。しかも、アクセサリ使用を想定しているキーボード兼用カバー(Surface Proタイプカバーと称する)が12,980円(税別。8%の消費税を含むと14,018円)、ペン(Surface Penと称する)が4,980円(税別。8%の消費税を含むと5,378円)であり、最安モデルでもこれらアクセサリを加えると、109,760円(税別。8%の消費税を含むと118,540円)となるのだ。これは単純比較できないが、価格的にはMacBook Airと変わらない(Microsoft Officeの有無を考慮に入れても)。
しかもこの最安モデルは、たったの64GBしかSSDの容量がないため、やたらとバイナリサイズの大きい64-bit版Windows 8.1 Proの圧迫は半端ではなく、実質ユーザ使用可能領域は相当に限定されたものとなるだろう。無論、クラウドを使ったデータ読み書きを前提とするのだろうが、相当に厳しいことは疑いない。つまり、10万円を何としても切りたいというのが最安モデルであって、それが7月17日のリリースに間に合わない最大の理由であると見る。
64-bit版Windows 8.1 Proをまともに使おうというなら、メインメモリは4GBではお話しにならず、8GBはほしいところ。そして、SSDは馬鹿みたいな64GBはさておいて、128GBでも厳しく、現実的には256GB以上はほしいところ。そうなると、最低線でもCPU:Core i5、メモリ:8GB、記憶域:256GBモデルとなり、価格は139,800円(税別。8%の消費税を含むと150,984円)、カバーとペンを付けると157,760円(税別。8%の消費税を含むと170,380円)となり、MacBook Pro Retinaと変わらない価格となってしまう。(2014年6月4日追記:コメント欄に頂戴した情報によれば、ペンは付属するようです。)
発表会では、薄くで軽いと言っているが大笑いだ。タブレットとして見れば800g。こんな重いタブレットは、今ではほとんど見ることができない。500gを切るのが当たり前の世界で、画面サイズが12インチ級とはいえ、800gは重すぎる。冗句にしても軽いとは詐欺まがいだ。では、Mobile PCとして見てはどうか。キーボードカバーもどきのまったく優れていないものを加えると900g程度となり、これはVAIO Pro 13などと変わらなくなる。要は既存の、一年前のMobile PCと同レベルのものでしかなく、何を今さら…と呆れることしかできない。
しかも、天秤で重さ比べをする相手がMacBook Pro。MacBook Airとは「いい勝負」なので、あえて理屈をくっ付けてMacBook Proを出してきたのだろうが、軽いと威張っているのはたかがこのレベルだ。MacBook AirにRetinaモデルが追加されれば、まったく勝負にならないのは明らかであるし、タッチパネルに向いていないWindowsアプリケーションソフトウェアがほとんどの状況では、使い勝手が確実に劣るキーボード(カバー)や、ペンでの指定が困難であることから、使い勝手を悪くしてまでWindowsタブレットを使おうとならないのは自明である。端的に言えば、タブレットとしてもMobile PCとしても中途半端なものがSurface Proシリーズなのだ。
(その点、AppleはiOSでタッチ専用インタフェースを載せたiPadやiPhone、Mobile PCとしてのMacOS XとMacBookシリーズの組み合わせと、しっかり互いの特徴を維持しながら発展させてきている。)
それにしても、本当に売りがこれだけなのか、と驚く。仮にMicrosoft Officeがなかったなら、こんなもの誰がほしがるのだろう?という印象しかない。宣伝に踊るのが大好きな人ならともかく、重さも大きさも使い勝手も中途半端なものに対して、何をもって勧められるのか? やっぱり積極的にアピールできないから、「Surface Pro 3、ちょっとふざけた言い方をしますと、もうやばい、凄い、デバイスです」(by 樋口社長)とふざけることしかできないのだろう。まったく呆れた発表会だったとしつつ、今回はここまで。
Surface ペンはデフォルトで付くみたいですね。
付属品の仕様がOHPにひっそりと書かれているだけなので分かりにくく、
付属しないと勘違いして買ってしまう人が出て来そうですが。
カバーの重量が何処にも書かれていないので、カバー込みの重量が
幾つになるかも分からないのも難点……
投稿情報: space | 2014/06/04 01:34
情報どうもありがとうございます。
あのバックライト付のカバー。100g程度ならいいのですが、200gくらいになると…。
画面サイズを大きくするのは、よりPC指向が強くなったからなのは疑いなく、だからこそキーボードが必要になるというジレンマ。
思えばVAIO Duoも11から13になったのでした。
投稿情報: XWIN II | 2014/06/04 07:18