日本時間6月14日午前8時頃から午後1時頃までの間、Typepad側のアクセス障害がありました。
よって、昨日(14日)掲載予定の記事を今日(15日)掲載します。
こういう時は、最近休日に早起きしてしまうという傾向は歓迎だ。日本時間朝4時からキックオフとなった、スペイン対オランダ戦をTV観戦できた。結果は5-1。予想外の結果といえるが、試合展開を見ていれば順当な結果だった。それだけ、オランダの対スペイン戦の準備が優れており、5-3-2(見方によっては3-4-1-2)システムがしっかり機能し、スペインのパスサッカーを最後の最後で封じきっていた。
ボール支配率は、FIFA公式によればスペイン58%、オランダ42%であったものの、試合を見ていた感触ではそこまで差があったようには見えなかった。それは決定的なシーンがオランダに圧倒的に多かったことによる錯覚(加えてゴール枠に飛んだシュートの差)だが、特に後半はオランダが圧倒していた。
スペインはパスサッカーをそのまま適用したのに対し、オランダは対スペインに合わせた戦術をとった。弱者が強者に勝つにはそのままでは勝てないので工夫が必要だが、見事にその工夫が嵌まり、そして成功した。5枚のディフェンダーは強力で、ゴール前では思ったようにパスが通らなかった。結果としてミドルからのシュートが増えたが、その精度は劣っており多くが枠外に飛んだ。また、オフサイドトラップの切れ味もオランダの伝統といえるが、人数が多くなってもしっかりと機能していたことも大きい。スペインはPKをもらって先制点は奪えたが、前半44分、カウンター的ロングパスを受けたV. PERSIE(ファンペルシー)が、ボールを浮かせた絶妙なヘディングシュートで同点とする。この同点ゴールによって、オランダの勢い──というよりはスペイン側に焦りが見られるようになってきた。
後半に入り、スコールのような雨が降る中、オランダがパスカットしロングボールがスペイン陣内に入ると、それに追いついたROBBEN(ロッベン)がこれも絶妙なトラップ&フェイントを決め、左足でゴールを決める。このスピードと切れ味は、カウンターを得意とするオランダに欠かせないものだが、戦術と共にそれを実践できる選手あってこそだと唸ることしかできない(うぅむ)。
この逆転ゴールによって、明らかにスペインは浮き足立ち、一方のオランダはマイペースで試合運びを進めていく。3点目は左サイドからのセンタリングに対し、スペインゴールキーパーCASILLAS(カシーリャス)とファンペルシーが接触し、結局はその後ろに詰めていたDE VRIJ(デフライ)がゴールポストに激突しながらもゴールに押し込んで決まった。カシーリャスはキーパーチャージを訴えたが主審に認められず、この3点目があらゆる意味でスペインの戦意を喪失させた(しかもこのプレーを引きずってか、カシーリャスは暴言でイエローカードを切られた)。
こうなってしまうと、試合展開はどうしても一方的になってしまう。どちらが王者かわからないほど、オランダはのびのびと、スペインはぎくしゃくと、といった具合だ。結果、後半にオランダは4点をあげるが、後半8分、19分、27分、35分と相手にダメージを与えるにはどうすればいいかを心得ているような時間に得点した。FIFAランクでは1位と15位というが、上位にランク差はほとんどないに等しいので、試合を見ていれば意外でも何でもない結果だとなるのである。
1次リーグでは最高のカードとも称されたスペイン対オランダ、その結果はオランダの圧勝に終わった。何がここまでその差を広げたかは上述のとおりだが、改めて列挙すれば、
- 相手に合わせた戦術を採用した
- その戦術を忠実に採用できる選手がいた
- その戦術を支えるだけのカウンター攻撃、オフサイドトラップがしっかりと機能した
- オランダの3点目があらゆる意味で決定的だった
となるだろう。といったところで、今回はここまで。
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