珍しく追記(2014年2月16日午前7時50分)から。
神奈川県警と運輸安全委員会の現場調査が昨日(15日)に終わり、東急電鉄自身の事故原因暫定発表も行われた。今のところは「ATCは問題なく、後続電車はATCに従い非常ブレーキをかけたが、通常よりも停車するまでに距離を要した」結果、追突事故を起こしたようである。東急電鉄は一所懸命に「車輪とブレーキパッドの間に雪が混入し、ブレーキがかからなかった」的な物言い(だから追突も仕方が無いような)をしているが、そんなことは当たり前で、荒天の時の運転と晴天の時の運転が同じであるはずがない。おそらく、電車運転手の間ではそんなことは常識であり、路上における自動車のスリップ事故と本質的に変わるものではない。運が悪かったかもしれないが、単に電車運転手とその教育方法に問題があるとなるのではないか。追記終了。
15日未明(午前0時35分くらい)、東京急行電鉄東横線元住吉駅の下り線ホームで、停車中の8両編成 元町・中華街行き普通電車に後続の電車が追突し、追突した先頭車両から2両目までが脱線した。乗客の男性8人、女性10人がけがで病院に搬送されたという。
NHKニュースなどによれば、追突された電車は元住吉で30メートルほどオーバーランしてしまい、停車位置を戻そうとしていたところ、後続車両に追突されたという。現在(15日午前7時)神奈川県警が現場検証中とのことなので、これから事実確認されるだろうが、まずはATCの状況がどうだったのかが気になるところ。
信号閉塞やATCについてまったく門外漢であるので邪推でしかないが、「オーバーランした電車が停車位置を戻そうとした際、後続電車が既に元住吉駅に進入(ATCの判定)していたため、戻るに戻れず、一方の後続電車は先行電車は元住吉駅を出発したと判断(ATCの判定)して駅に進入し、結果衝突した」とか……。そんなばかなと思うかもしれないが、システムというのは想定していないものを設計することはできないので、ないわけではないかな、と。もっとも、雪のためにATCが一部機能不全に陥ってました、ということで決着する可能性が高そうだが。
何にしても、東京急行電鉄は、この事故で信用失墜したのは間違いない。今日も朝から渋谷~菊名間は運行できておらず、大雪のために各線運行見合わせしてるので目立たないが、早急に原因を突き止め、対策をとっていくことが求められよう。
2014年3月4日午前追記
ちょっと遅れた感はあるが、東急電鉄から2月19日付で「東横線での列車衝突事故を踏まえた降雪時、積雪時の運行対応について」というプレスリリースが出されている。
自動閉塞式を基本とするシステムでは逆行を想定していないので、唯一の解決手段は、クラシックな車掌による後方援護ですが、池上線のようなワンマンではこれもできません。逆行の場合は前進する後方の電車の速度と合計した速度のエネルギーで衝突しますのでショックはかなり大きかったと思います。写真による車体のへこみがこれを物語っています。私が記憶している追突事故は、昭和16年頃のラッシュ時の団子状態の運転の時に大井町線の九品仏駅から自由が丘に向かった所で発生したものです。自動信号の場合、赤信号でも一旦停止してから、前方の安全を確認しながら時速15km(当時は速度計がなかったので感で)で侵入しても良いことになっていました。この規定は、自動信号の場合フェールセーフで故障の時には赤になるようになっちますので、1閉塞区間に1列車のみを停止させて渋滞の解消を阻害することを防ぐことが目的でしたが、あいにく九品仏駅を出るとすぐに左にカーブとなっていて前方に団子状態で停止していた列車を見落としたためでした。個人的な話で恐縮ですが、同級生がたまたま乗り合わせていましたが、アルミの弁当箱が潰れていたので衝撃の激しさを目の当たりにしました。
投稿情報: 木造院電車両マニア | 2014/02/15 10:26
オーバーランした列車が元住吉駅の閉塞区間を越えてから逆行したとすれば、後続列車に対してクリヤーとなるので、後続の運転手は駅に進入することができるので追突事故を防ぐ手段はありません。その辺の事実を東急は公表してほしいと思います。自動閉塞システムでは逆行に対する保護装置はありません。
投稿情報: 木造院電車両マニア | 2014/02/15 17:31
追伸
団子運転ですので、目視確認を平行して運転を行うのが常識であると思いますが、そもそもダイヤ度おり運転されていれば、ATCも運転手も不要ですので原点に返る必要があると思います。前のコメントは現状認識に誤りがありまですので無視してください。
投稿情報: 木造院電車両マニア | 2014/02/16 00:33
追伸
今朝6時のラジオによりますと、時速80kmから非常ブレーキが正常に作動したが、ディスクとパッドの間の雪により空走したらしいと東急が発表したそうですが、通常では発電(回生)ブレーキが主で、空気ブレーキは発電ブテーキ失効してから作動するものであち、また1閉塞区間では在来の信号では黄色となり制限速度は45kmとなります。東急側の説明も今ひとつ納得がいかないのは小生だけでしょうか、諸兄のコメントをお待ちします。
投稿情報: 木造院電車両マニア | 2014/02/16 09:12
本記事の追記にも記しましたが、仮に東急電鉄の説明がすべて正しかったとするならば、この事故の起こる確率(可能性)はどの程度だったのかな、と。
追突事故 = 団子運転 + 大雪によるスリップ + 運転手の技能 + ATC依存 + α
様々なものが重なったにしても、原因が複合的なものだったにしても、追突事故を起こしたことに変わりはないので、最後の砦である「人」の部分をどうにしかしないと…。
投稿情報: XWIN II | 2014/02/16 11:06