昨日(28日)、我が国でもようやくリリースされたAmazonのタブレット「Kindle Fire HDX 8.9」を購入した。
Kindle Paperwhite 2、iPad Air、それに続くKindle Fire HDX 8.9。立て続けにタブレット(電子書籍リーダー)を購入し続けるのもどうかと思うが、それだけ魅力的な作品が登場しているのもまた事実。というのも、それだけ読書において電子書籍に移行しているからだが、iPad Airによって一定の大きさを維持しながら高解像度で軽量というのは「大変大きな価値がある」と再認識したのが最も大きな理由である。そう、立て続けに購入するのは「いいものを知ってしまったためもっといいものを求めたい」という欲求に従ったからに他ならない。
一応、気になる部分のスペックを列挙するが、この手のものは実際に使ってみないと何とも言えない。なので、列挙しつつ、それぞれの第一印象を併記しよう。
画面サイズ及び解像度:8.9インチ、2560×1600(339ppi)
iPad Air(9.7インチ)よりも一回り小さい上、縦横比率が異なる(本機は16:10、iPad Airは4:3)ため、対角線のインチ差以上にKindle Fire HDX 8.9の方が若干小さく見える。しかし、解像度ははるかに高く(本機は2560×1600、iPad Airは2048×1536)同じ画像で見比べてみてもその差は一目瞭然。細部はわからなくても全体としての印象(ヒトの目の特性)で、細かさの違いはよくわかる。やはり、高解像度は正義だ。
サイズと重量:231×158×7.8 mm、374g
私のタブレット初体験は、Optimus Pad L-06CというAndriodタブレットだったが、最も長く使用したのは第3世代iPad、初のRetinaディスプレイ搭載モデルであった。これは0.6kg以上あり、Mobile PCに比べればはるかに軽く小さいものの、片手で支えるにはそれなりの重さを感ずるものだった。そして、iPad Airでは469gにまで軽減され、随分軽くなったものだと感激し、やっぱり持ち運ぶ(歩く)ことが前提であるタブレットは軽ければ軽いほど、そして持ち(ホールドし)やすいことが第一だと再認識した。そういう中、さらに軽く高解像度でしかもamazonが提供する電子書籍との親和性が高いとなれば、当然入手したくなるもの。実際、手にしてみたが、もうiPad Airが軽いなどと思えないほどの軽さ。たかが95gの差でしかないが、比率としては2割の減。重さがやや厚い文庫本程度となって、いやはや技術の進化に驚くばかりだ。
マイクロプロセッサとメインメモリ:Snapdragon 800(2.2GHz, Quad Core)、RAM 2GB
iPad Airが気に入らないのは、メインメモリが1GBしかないということだった。マイクロプロセッサは64-bitだとか、都合のいいことを喧伝しているにもかかわらず、32-bit時代と変わらないメインメモリ1GB。正直、Appleは馬鹿じゃなかろうかとしか思えない愚判断。真のマルチタスク・マルチスレッドをOSレベルで実現し、バイナリレベルで概ね3~5割増しとなる64-bitネイティブコード実行と、これまで以上にメインメモリを必要とする要求がありながら、だ(そして言うまでもなく、Retinaの解像度のためにビデオメモリとしても多くが使われている)。実際、メモリアクセス速度も含めて、A7プロセッサの足を引っ張りすぎているメインメモリ。軽くしながらバッテリ持続時間を維持するためには、一定の足かせは必要なのだが、このあたりのセンスがいまいち。それがAppleなのだというか、そういうところは昔から変わっていないというべきか。それに引き替え、本機はメインメモリが2GBあって、Amazonのデフォルトサーヴィスがバックグラウンドで走っているにしても、引っかかりは少ない。究極の高性能かつ低消費電力の実現は、Intel社の長年の経験から明らかなように、一定レベルの性能を持つ複数プロセッサコアをトップスピードからスリープまで高速に切り替えしつつ、9割方の命令及びデータをキャッシュメモリにおさめながら、メインメモリ内で基本動作のほとんどを完結させる。つまり、メインメモリをけちってしまえば、結果的に消費電力があがってしまうか、さもなくばユーザ体験における怒りがあがってしまうとなるのである。
GPU:Adreno 330
タブレットにおいても、GPU性能が求められると当たり前のように語る時代になったのも隔世の感があるが、Snapdragon 800には強力なGPU Adreno 330が統合されている。Mobileにおいても超高解像度ビデオ再生や3D性能が求められているが、私が最も気にするところは、2560×1600という解像度に対して2D性能が問題ないかどうかという点にある。Snapdragon 800そのものは、既に各社スマートフォン等にも採用されているが、これだけの高い解像度ではどうなのかという点については実機において確認するほかない。とはいえ、メインメモリ2GBというところで、iPad Airのような問題点は抱えていないだろうと見る。
といったところで、今回はここまで。
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