私は、主にamazonのKindleで電子書籍を利用しているが、電子書籍のラインナップが増えるようになってきて、ますます気になってきたことがある。それは、粗悪な電子書籍が今まで以上に目立ってきたということである。
もちろん、内容が粗悪であるとか、そういうことではない。作りが粗悪、なのである。マンガ(コミックス)のようなものならば、画像データであること自体、仕方がないというか問題はないが、文章中心の本であるにもかかわらず、画像データのままという手抜きが目立って増えてきているのだ。
例えば、とある電子書籍の注意書きには、このようなものがある。
「この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、予めご了承ください。試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。」
レイアウト重視の書籍ならまだしも、そうでない文章中心の書籍でこのようなものは、いわゆる「自炊」レベルのものでしかなく、しかもPDFファイルに比べていまいちなのだ(テキスト埋め込み等していないため)。
こういう安易な作りの電子書籍となるのは仕方がない側面もある。例えば「電子化時代以前の書籍」であれば、そもそも電子データがなく、編集当時はあったとしても既に廃棄されているようなものは、一から電子データとして組み上げなければならない。その手間を惜しんでほしくないという気持ちはあるが、安価で提供するのであればスキャナで画像データのままでも止むを得ないといえる。
だが、実際はそのような安易な作りであるにもかかわらず、価格は紙の書籍とほとんど変わらない。だからこそ粗悪、手抜きだとしか言いようがないわけだ。これでは、PDFにも及ばないのはもちろん、Kindleなど電子ペーパーで読むのにも向いていない。「誰得?」というレベルの稚拙かつ粗悪、安易な電子書籍は「悪貨は良貨を駆逐する」害悪にしかならない。
そんなことを憂慮しつつ、今回はここまで。
XWIN II さま
だがしかし!私のようにインターナショナルドサ廻りをやっていますと、電子書籍は便利です。このブログにもインドから書き込みできるので、電子書籍を時々ダウンロードしたりしていますが、やはり物によって質が悪いですね。ご指摘のようにPDF程度でスキャンで手を抜いているのか容量を少なくしたいのかもっと高精度にスキャンして欲しいです。といってファイルが大きくなるとこちらのインターネット環境ではダウンロードに1時間とかかかるわけですが。むしろ青空文庫の方が簡単にダウンロードできていいです。コチラでは日本の書籍の入手はほぼ不可能です。シンガポールの紀伊国屋で単行本が3割増くらいでしょうか。週刊誌は5割増くらいですね。
投稿情報: デハ3300 | 2013/11/20 21:19
インターネットのおかげで、様々なものが国境や空間を飛び越えて移動することができて久しいですが、それは私自身、海外出張などで実感しているところです。仰せのように、電子書籍に限らず、紙の書籍で入手困難なもの(あるいはプレミアム価格になっているもの)は、日本のamazon等につなげば何の問題もなく日本価格で入手できますから。
そのような観点からでは、入手性のよさだけでいいのでしょうが、検索もできない電子書籍なんて…と思うこともまたしかりということで。
投稿情報: XWIN II | 2013/11/21 07:13