以前記したとおり、PlayStation Vitaの新型は見送ったが、薄型・軽量になった以外で気になったのは「1GBのフラッシュメモリを内蔵」したことである。ご存じの方はご存じのように、PlayStation Vitaゲームカードはいわゆるセーブデータを保存できるカードとそうでないカードの2種類あり、カードにセーブデータ保存領域を持たないもの(大半がこのタイプ)だと、これまでは別途PlayStation Vita メモリカード(4GB, 8GB, 16GB, 32GB, そして新登場の64GB)を購入しなければならなかったものが、たとえ1GB程度とはいえあるとないとでは大違いで、わざわざメモリカードを購入しないで済むのは、パッケージソフトウェア購入のみのユーザにはありがたいものだろう。
だが、世の中、ダウンロード販売である。特に、PlayStation系ゲームは過去の多くの資産はダウンロード販売に頼っており、光学メディア前提だったものがメモリカードへと高速データアクセス移行に伴い、オリジナルのプレイ環境よりも向上していることが多い。こういったダウンロードソフトウェアを楽しむには、メモリカードは必須となって、しかも大容量のものが必要になってくる。これまで最大容量だった32GB版を超える64GB版(型番:PCH-Z641J)の登場は、PlayStation Vitaのコアユーザにとってはありがたいものであるはずで、無論私も速(即)購入した。
しかし、単にメモリカード間のデータ移行であれば特に問題はない(強いて言うなら30GB弱のデータをコンテンツ管理アシスタント経由でPCにバックアップ及びリストアするのに3時間程度要するくらい)が、PlayStation Vitaゲームカードのセーブデータについては、いくつか気にしなければならない点がある。それは、複数のメモリカードを使い分ける際に、当たり前だがメモリカードを交換する毎にセーブデータもその都度移行しなければならないことにある。ゲームカード内にセーブデータがあれば気にすることもないが、メモリカードにセーブデータを記録するのであれば、当然そのメモリカードを交換してしまえば本体からセーブデータはなくなってしまう。こうならないためには、交換後のメモリカードにセーブデータを移行させなければならず、そのためだけにコンテンツ管理アシスタント経由でPCにセーブデータをコピー後、メモリカードを交換した状態で再度、PCからVitaにセーブデータをコピーしなければならない。たかが一手間だが、されど一手間である。この一手間のために、複数枚32GBメモリカードを購入したものの、使い分けにはいたらなかったという流れになってしまったのだ。
なので、新型に搭載された1GBの内蔵メモリカードが気になるのである。持っている方はお試しいただきたいが、内蔵1GBとメモリカードスロットにさしたメモリカードがそれぞれPCでいえば別ドライブ、あるいは別フォルダ(古く良き言い方ではディレクトリ)となっていれば、セーブデータは1GBの内蔵メモリカードに、ゲームデータは専用スロット装着メモリカードに、という切り分けが可能となる。そうなればメモリカードの使い分けが便利になり、新型Vitaの価値も高まると思うが、現在セーブデータの保存にフォルダの任意指定を行っていないことからすると…。いや、2つのメモリカードを認識するためには、Vita OS側にそのような工夫はあるはずなので…。どちらにしても、新型で試してみなければ何とも言えないところである。
Vita新型は、事実上2つのメモリカードをサポートするようになり、どのような形でOS(ゲーム)側からこれがユーザに提示されるのか。結局、使い勝手が大幅に向上するのなら、液晶パネルになったとはいえ新型を購入するのではないかという、いやな予感を抱きながら今回はここまで。
2013年11月24日追記
メモリカードの認識については「新型PlayStation Vita、PlayStation Vita TVの内蔵1GBメモリカードの取り回し」に結果を掲載した。
コメント