日本考古学の泰斗とも言うべき、森浩一先生が今月6日にお亡くなりになったという訃報に接し、哀悼の意を禁じ得ない。先生の教えを直接受ける機会は一切なかったが、その著書に大きな影響を受けたのは間違いない。特に近年の地域史に重心を移されてからの著書は、地域に根ざしたものを地域の視点から考察するだけでなく、深い考古学・古代史の知識に裏付けられた(データベース的なものではなく相互に関連付けられた)もので、一文の中に多くの知識と考察が詰まったものだと驚かされてばかりであった。
中でも「京都の歴史を足元からさぐる」シリーズは、私にとって京都を歩くには欠かせないもので、へぼいガイドブックや知ったかぶりの知識(蘊蓄)羅列の便利本とは一線を画す。先生の含蓄あって且つ読みやすい文章は、私の目指す高い頂であるが永遠にたどり着けはしないだろうが、目標としては今後も設定していきたいと思っている。
ご冥福をお祈り申し上げます。
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