■ Windows 8
VAIO Duo 13 | red edition が真の実力を発揮するには、キーボードモードはもちろんタブレットモードに意義を見出せなければならない。タブレットモードこそ、本機の本機たる所以であるが、それをソフトウェアレベルで担うのはWindows 8である。既にWindows 8.1のPreview版が登場し、今秋にも正式発表される予定であるが、ユーザインタフェースに大きな変更は行われないことから、現在のWindows 8と本機との親和性を検討するだけで十分であろう。
Windows 8の良さは、これまでのPCよりもタブレットタイプの方がより感ずることができるというが、果たしてそうだろうか。ご存じの方はご存じのように、Microsoft社はWindows 8をリリースする数年前から、Tablet PCをサポートした専用モードをOSに用意していた。だが、それは普及するどころかおまけ扱いで、しかも使い勝手が悪く、iPadが市場を席巻することでTablet PCがなぜ普及しなかったかを間接的に証明した。一言で言えば「簡単でなかった」ことに尽きる。
では、Windows 8は「簡単」だろうか? DOS時代以前よりPC(マイコン)を使っている私から見れば、所詮慣れの問題であって、慣れればどうということはない。だが、PCの操作が複雑・面倒だと感ずる人からすれば、iPadの方が「はるかに簡単」だと思う。理由は、複数のモードなどなくできることも限られているからである。いくら何でもできるといわれても、操作方法がわかりにくい、あるいはそうでなくても覚えることが多いのであれば、結局は同じことであって「簡単ではない」となる。
iPadより簡単ではないとして、実際使い勝手としてはどうなのだろうか。私にとっては、以前にもふれたようにタブレットモードはほとんど使用せず、キーボードモードを利用してばかりというのが現実だ。なぜか。大変残念なことに、WebブラウザのレスポンスがiPadのそれよりも悪いからである。とにかくタッチでのスクロールが遅い……レスポンスが悪い。拡大縮小操作もまったく同じタッチ操作方法なのに、方や指に吸い付くように追随するが、此方ひっかかったりあるいはそんな操作した?というような無反応。数秒後に申し訳程度に拡縮したり…(なお、このあたりはWebブラウザによって大きく異なる。IE10はまあまあでIE11はよくなりつつあるよう。FireFoxやChromeなどだと厳しいシーンが多い)。
こんなレスポンスでは、正直使おうという気が起きず、すぐにキーボードモードに切り替えマウスなどで操作する方が早い有様なのだ。もし、本機がタブレットモードしかなかったなら、間違いなく失敗作だったと断言できる。よって、Zに代わるフラッグシップモデルだなどと言えるはずもなく、買って後悔したとしかならなかっただろう。
言うまでもなく、ハードウェアパフォーマンスは明らかに本機の方がiPadなどよりも上である。にもかかわらず、iPad並みのWebブラウジングができないということはソフトウェアに問題があるとしかならない。それは基盤であるWindows 8が今ひとつであるということであり、Webブラウザもタブレットモードとしてこなれていないと感ずる。逆にデスクトップモードの方は、これまで培われてきた安定さがあって、デスクトップアプリのOffice 2013などの使用感はWindows 7のそれと変わらない。むしろ、Windows 7上よりもパフォーマンスは高いのではないかと思うほどだ(気のせい)。
以上、残念ながらタブレットモードでの使用感は今ひとつであり、せっかくの変形する有り難みが失われているのは厳しいと思う。モビルアーマー バウンドドッグの変形並みに残念感が漂いつつ、今回はここまで。
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