前回、amazon Kindle Paperwhiteを導入したことについてふれたが、いざ使ってみて想定通りだったこともあれば、意外に使えると思うこともあれば、こりゃダメだなと思うものもあった。そんなこんなの使用一日レベルの感想をあれこれ書いてみたい。
まず、想定通りだったことは「軽い」ということである。これまで電子書籍を読んでいたのはiPadであったので、それに比べればおおよそ3分の1となったことから軽いと感ずるのは当然なのだが、213グラムという文庫本1冊程度の重量しかないのはインパクトが大きい。とはいえ、このあたりは予想通であり、驚くにはあたらないところである。
そしてE Ink対応ディスプレイの見やすさ。TN液晶並の反応速度でしかないが、見やすさは群を抜いている。特にバックライトやフロントライトなどが不用な自然光下での見やすさは、普段見慣れているPCやテレビなどの液晶ディスプレイとは違って目に優しい。ただ、E Inkについては、既に他環境で経験済みだったので、これも想定通りのものであった。
そして保存容量。本体に2GBのフラッシュメモリを内蔵しているが、システムなどで半分程度利用されることもあって、実質1GB強の空き容量(ユーザ使用領域)しかない。これは容量の大きいマンガなどが数冊ないし十数冊程度でいっぱいになってしまうことを意味し、iPadなどと比べると心許ない。是非とも改善してほしいところであるが、これも事前にわかりきっていたことなので想定通りであるのだが…。
続いては、意外に使えると思うことをあげてみよう。それはE Inkディスプレイのリフレッシュ及びページ切り替え速度(書き換え速度)が思った以上に速かったことである。これは、過去にE Inkを体験したことが大きく寄与しており、初めてE Ink体験をするユーザとは異なる感覚であるだろうが、E Inkも頑張ればそこそこの速度が出るのだと感心した。
そしてバックライト──もといフロントライト。確かに斑があるのだが、文字を読む分にはあまり気にならない。それ以上にE Inkにとてもよく合った目に優しい明かりが、暗いところでの使用でうれしい、かつ、ありがたい。いくら慣れているとはいえ、長時間液晶パネルを見るのはそれなりに苦痛であるので、読書シーンで目に優しいというのはありがたく、宣伝以上によいと感じたところである。
一方、残念だったところについて。何といってもPDFを見るのが辛いという一点に尽きる。無論、PDFといってもいわゆる文字コードが埋め込まれた「軽い」PDFではなく、自炊などでイメージデータ化した文字画像となった「重い」PDFの方である。Retina iPadのように高精細であれば問題ないのだが、Kindle Paperwhiteのそれは758×1024ピクセルしかないので(それでも他電子書籍端末よりは高精細)、文庫本クラスのイメージPDFでも文字がかすれ気味になってしまう。さらに6インチのパネルであるので、文庫本よりもサイズの大きい本のイメージPDFでは文字がつぶれてしまう(喩えて言うなら低解像度のPCでWordの印刷イメージを表示するみたいな感じ)。これでは戦えない(苦笑)。
とはいえ、電子書籍を読む端末として見れば、これが最適なものであることは、たった一日の使用でも十分すぎるほど感じた。そんなこんなで、今回はここまで。
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