これまでVAIO Z21を持ち歩いていたのは、本体のみであった。本体のみで重量は約1.1kgほど。これが数字以上に軽く感じられるのは、これまでのVAIO Z11よりも約0.3kg以上軽くなったためである。たかが0.3kg、されど0.3kg。これが私自身の体重であったなら、0.3kgの差など問題外だ(苦笑)。だが、もともとが1kg台中盤だったものが0.3kg程度軽くなるということは、2~3割程度の重量減であるのでインパクトは大きい。それが持ち歩く際の快適さにつながっている(従来比)。
しかし、これに拡張バッテリを付けてしまうと、従来のVAIO Z11(標準バッテリ搭載時)よりも重くなる。従来は大容量バッテリという扱いで、標準バッテリを付け替えることで対応していたものが、VAIO Z21は底面に取り付けるという形態になり、もともとついている標準バッテリを取りはずすことなく拡張バッテリを接続する。つまり、バッテリを2つ分(標準と比べれば2倍以上)搭載するようになるので、まるまる拡張バッテリ分重量が増えるので、VAIO Z11を軽く超えてしまうわけだ。
とはいえ、こうすることでのメリットはある。それはバッテリ持続時間の大幅な延長、ないしは一定のパフォーマンスを維持しながら長時間稼働が可能になることだ。このメリットは間違いなく大きい。普段なら、それなりの作業時間を要する際、液晶ディスプレイのバックライトを暗くする配慮を心がけなくてはならないが、拡張バッテリを取り付けたVAIO Z21に死角はない。
また、バッテリも拡張バッテリから先に消費する点もポイントが高い。さすがにスペースシャトルの推進剤よろしく、使用済みとなったら捨てることはしないが、場所が場所なら(盗まれる心配等がなければ)これを取りはずしておくこともできる(そして軽くなる)。さらにありがたいことに(というか当然の配慮ではあるが)、拡張バッテリ単体で充電することも可能なため、このあたりの仕組みはよく考えられていると見る。
どれほど長時間使えるかという試験(使用経験)がないため、どのくらい実使用ベースでバッテリがもつかというところはあるが、Windows 7タスクバーに鎮座するバッテリゲージの報告によれば、85パーセントの残(これは二つのバッテリの平均値で、異なるバッテリ容量であることを考えると正しい表示化は微妙)で残り時間が9時間55分とされている。バックライトの輝度は、暗い方から6段階にし、無線LANを有効にしての値である。激しい演算等を行うのであれば別だが、通常の作業でこれだけバッテリが持続するというのはすごいことである。性能の高いMobile PCとして見るのであれば、驚異的と一言で片付けられないほどだ。
持ち歩くにはVAIO Z11より重くなってしまうのは残念だが、その重さ(マイナス面)を補って余りあるほどのバッテリ持続時間の延長と、一定のパフォーマンスを下回らないようにしても問題ないというのはありがたい。それにしても、Power Media Dockの不満さえなければ、これほど優れたバランスのいいVAIOノートは、久しく見なかったと言える。もし、もしも仮にIvy Bridgeを搭載し、Power Media Dock2(いきなりAC外しでVAIOと心中しないアップデート付)を搭載したVAIO Z22が出たとしたら──。
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