WHOが携帯電話の電磁波について、コーヒーや漬け物レベルと同等の発がん性リスクがあると発表したが、低レベル電磁波についてはこれまでも様々なことが言われ、怖れられてきた。私が若い頃には、ビジネスの現場に普及し始めたPCがほとんどの従業員に物珍しかったため、PCやCRTディスプレイ等から発せられる電磁波から身体を守ろうということで、電磁波防止エプロンをする婦女子が多かった(今ではほとんど見なくなったが、労働安全基準上はどうなのだろう?)。今日では、IH調理器具の普及で料理用エプロンに電磁波防止機能を付加したものもあるようで、まだまだ一部では存在感を示している。
福島第一原発事故以来、放射線について様々なウソ・ホントが巷間飛び回っているが、結局のところ、リスクマネジメントということになると考えている。滅多にないと言い切っていいかは自信がないが、高エネルギー宇宙線が電離層・空気層(とりあえずこう表現する)を超えて崩壊せずに、そのままヒトの体にぶつかり(透過しつつ)、偶発的に染色体を破壊するような高エネルギーレベルの崩壊現象が起こったとしたら、たった一つのこの偶発的事象でその人は大ピンチに陥ってしまう。日常的に放射線の危機、はすぐそこかしこにあるのだが、要は目に見えない、体に感じることができないので単に自覚がないだけなのだ。
なので、このような事象が起こったとしてもその人はもちろん、それ以外の人たちにも、本当にこれが原因かという因果関係を立証することは難しい。もし、卑近に別の事象があったとしたらわかりやすいものを原因者とすることも珍しくないだろう。要するに、納得できるだけのものが真の原因とは別に特定されてしまえば、それで話は終わってしまう(解決扱い)というわけである。
電磁波を含む高エネルギー粒子は、量子力学の世界で振る舞うことからなかなか一般には理解されない(誤解されやすい)。そしてその崩壊タイミングなども同様であり、すべては「神はサイコロを振る」ということである。とはいえ、光の干渉実験(光源から二つのスリットのどちらを光が通るのか)や逆二乗の法則(電磁波は発生源から距離の逆二乗で減衰する)などを承知していれば、携帯電話の電磁波(電波)が影響を及ぼすのは至近距離だと理解できるし、エプロンのような一方向の遮蔽ではほとんど役に立たないなどがわかりはずだ。つまり、しっかりと自身で知識を得て考えることが重要なのである。
何事も程度問題であり、電子レンジがある台所やこのコメントを入力しているパソコンを含めて現在電磁波の無い所などありません。放射能もしかりで、小生が軍務に服してたころ近所に鳥取県の倉吉には三朝温泉がありましたが、人々はお金を払ってわざわざ放射能を浴びに来ていました。
投稿情報: 木造院電車両マニア | 2011/06/03 10:17