福島第一原発1号機の爆発事故から数えて半月ほど。当初は、再臨界による急速な核分裂反応に伴う爆発と膨大な放射性物質の拡散だけが懸念されていたが、いよいよ先週末あたりからNHKを始めとする大手マスコミも、この放射性物質放出がいつまで続くのかに焦点を合わせた報道姿勢に変わってきたようで、ようやく「安全神話」(ただちに影響は出ないというのは確かだろうが、いつまで続くのかによって変化するのは自明)の垂れ流しから変わりつつあり、事故の現状はともかく、報道という観点からはいい方向に向いてきた。
もちろんいつまでというのは、計画はあってもその通りに現実が進むはずはないので、安易に答えられるものではないし、答えてはいけないものである。しかし、これだけ長期間、放射性物質を垂れ流し続けるというのは原発事故史上最悪のものであり、福島県、東北地方、東日本、日本国、極東、東アジア、北半球とどこまで汚染範囲を拡大すればいいのかという問題もあって、我が国のみならず世界的な注目が集まる中、福島第一原発をいかに黙らせるかというのは、国家的プロジェクトどころか世界的なプロジェクトと言っても過言ではない。
ところが実際にそれに対している態勢は、端から見ている限りでしかないがあまりに貧弱である。現在、福島原発で活動している東京電力関係者は過度なプレッシャーと戦っているはずで、既に半月ほど、それこそ言い方は悪いが被災者と同等あるいはそれ以上の苦難であるだろう。原発事故を起こした責任は誰にある?ということは糾弾されるべきものだが、現場で働いている人たちを責めることなどできるはずもない。心配されるのは、福島原発(東京電力)から発信される情報の精度が落ちてきていることで(被曝事故や放射線量の算定ミス等々)、これは相当なプレッシャーかつ過酷労働の中、既に戦える状況にないのでは?と慮ってしまう。
これは太平洋戦争の最中、参謀本部が現地の状況を顧みず、現場からの意見を聞かず、ひたすら責任の押しつけと精神論で具体的な支援策を採ってこなかったことに似ている(一部心あるものの犠牲的な支援がなければ玉砕また玉砕だったろう)。政府は間違いなく東京電力と一体化して対策本部を立ち上げているはずだが、こういった支援を行っているのかがよく見えない。世界的なプロジェクト(困難)に立ち向かっている人たち「だけ」を犠牲にはできないし、過重労働によってしなくてもいい失敗をさせたら誰が責任を取るというのだろうか。
私も部下を持つ身であるが、「やれやれ」だけのかけ声だけでは動くはずもないことは承知している。ましてや、このような困難なプロジェクトを動かしていれば、そんな当たり前のことはできているはずだが、果たして現場はどうなっているのだろう。そんなことを思いつつ、今回はここまで。
ご指摘の通り、東電の精度が落ちてきていることは非常に危惧されるところでしょう
太平洋戦争の場合、結果でいえば相手はアメリカという人間でしたから、戦いをどこでやめるかは、日本側の決断次第でした。今度の原発は、どういう相手か、まだ正体が見えない。
しかし、最前線で恐怖に立ち向かう人々と、もっと僕らは一体な気持ちを持ちたい。
福島に原発負担を押し付けた東京人として、僕は痛切な責任を感じています。
それが、東北に行くべき資材を買占め、福島はじめ関東の野菜を食べず、破棄させ、
あまつさえ関西脱出を考える(僕も立場上検討を指示)
投稿情報: 桜上水confidential | 2011/03/28 13:43
月月火水木金金の軍歌を思い出しました。ローテーションを無視することが過労を原因とする更なる事故を引き起こし優秀なパイロットを失う結果にならないことを祈ってやみません。
投稿情報: 木造院電車両マニア | 2011/03/29 11:50
ここのところ連日テレビ、新聞で原発の修復作業のようすが報道されていますが、一体東京電力は何を考えて作業しているのか腹立たしくなる。爆発事故を起こしてしまったものをもう一度修理して使おうとでも思っているのか?空からも海からも放射能を垂れ流しにしたままで。電源復旧作業や冷却ポンプの回復などは後回しにして放射能拡散の防止方法を考えてその作業を優先すべきではないか?空への拡散は大きなドーム状のカバーかけて建物をカバーしてやればすぐにできることであり地下水や海への拡散防止は建物周囲に鉄板を打ち込んでいけば簡単にできるではないか?廃炉を前提とした住民重視の作業方法にきりかえるべきである。政府も東電任せにしないでなぜもっと指導力が出せないのか不思議だ。またこれだけ周囲の住民だけでなく関連産業に被害を与えているのに環境省からのコメントが何も出てこないのも不思議である。彼らはやはり税金泥棒なのだろうか。
投稿情報: 坂本竜馬 | 2011/04/03 20:02