ここのところ毎日出張が入っているが、今日は秋葉原に出張である。そこで目についたのはNintendo 3DS。お試しプレイ(3分の時間制限)をやり、その後、秋葉原駅でデモ画面の様子も確認したが、まったく興ざめの裸眼立体視体験だったとなる。
まず、私の第一印象は「これって懐かしのSTN(あるいはDSTN)カラー液晶?」と思えるほどの劣悪な画質。確かに立体的には見えるが、正直言っていまいちなホログラムと言おうか角度を変えると絵柄が変わる表面がぎざぎざのシールみたいだと言おうか(最近の若い方はピンと来ない表現か)。しかも、視点を画面からわずかに外すだけで破綻する立体視(当然だが)。この小さい画面で裸眼立体視に無理があるだけでなく、画質も悪い上、片目で確認すればわかるがいくら視差で立体視表現をしているからといって、いかにも目の疲れそうな絵(グラフィックス)のブレ。手前から奥に向かう等の立体視を体感させる際にそのブレの差は大きくなり(これも当然だが)、こりゃ相当目を酷使するなと痛感した。つまり、体験プレイは3分でちょうどよく、これ以上続ける気が起きないわけである。
なので、言い方は悪いがNintendo 3DSを高評価している人は、普段から汚い(荒いとか低解像度とか、色がくすんだという意味で汚物的な意味合いではない)映像しか見たことがないのではないかと思うほどである。しかも裸眼立体視に驚くよりも、これって単におまけのホログラムシールレベルでしかないなとも…。
物理的に平面を立体的に見せるには、だまし絵テクニックのように目の錯覚を作り出すか(受動的)、視差による疑似的な絵(立体的に見えるように絵そのものを視差が表れるような絵にする。能動的)によって目に立体的だという信号を受け取らせるようにするかだが、後者の手法(Nintendo 3DS)では人が意図的に視差を変える(ピンとをずらす)だけで簡単に立体視表現が破綻し、二重三重に絵が重なるように見えてしまう。要は、視差(ピント合わせ)がずれてしまえば、元絵はとてもではないが見にくい(見づらい)絵でしかないので、無意識のうちに見にくい絵を見続けているのだから、疲れやすいのも自明だろう。
まぁ、個人差はあるし、これまで体験したものの違いなどによっても受け取り方は様々だろう。なので、私としては、ということでしかないが、Nintendo 3DSの裸眼立体視は「何を好き好んでこんな汚い絵で目が疲れやすい小さい画面を凝視しなければならないのだろう」となるのである。まったく期待はずれとわかったところで、今回はここまで。
コメント