昨年末の伊達直人名義の児童福祉施設への寄付から始まった(より正確に言えばその報道から)いわゆる「タイガーマスク運動(現象)」だが、流行のスピードに合わせて今では失速状態にある。しかし、昔ながらのメディアはようやく今頃になって胎動しているようで、おそらく旬は過ぎたと思うタイミングでの映画化はさておいて、書籍の分野においては今月に入ってから色々とタイガーマスク絡みのものが出版(再版)されている。それを大きめの書店で平積みしているのを見たが、私が書店にいた2~3時間(立ち読みにあらず。本を探していた時間)ではまったく動きがなかったようだ(定期的に補充していた可能性はある)。
その中の一冊を手にしてみた。正式な書名は忘れたが、今世紀に入ってから登場したもので、プレイバック式(当時の熱気ではなく、あの頃はこんなだった的非当事者からの冷めた目線・スタンス)の記述ではあるものの、全話のあらすじや名場面、登場人物を網羅しているだけでなく、当時のキャスト、スタッフへの思い出話を挟んでいるところなどは好感が持てるムックである。奥付を見れば、今年に入ってからの再版で、タイガーマスク運動の成果物の一つであることが確認できた。だが、わざわざこれを買おうとは思わない。
また、私的には常識だが、まんがとアニメは別物であることもあまり認識されていないようである。私は世代的にアニメ派(しかも再放送)だが、原作(まんが)派も当然おられるだろう。原作をすべて読んだことはないが、最終話だけはコミックスで見たことがあり、子供心に伊達直人の死は衝撃的だった。一方、アニメの方は虎の穴の真のボスであるタイガー・ザ・グレート(グレイトではない)との文字通り死闘を経て、羽田空港から海外へ旅立っていく(現実逃避)という話。こちらも衝撃的ではあったが、アニメとまんが(原作)の違いについての衝撃の方がはるかに大きかった。
(下は、タイガー・ザ・グレート。彼はマスクだけでなく全身タイツ状態。これはレスラーとしては高齢だったことによるのだろう。)
とまぁ思い出話はこのくらいにして、私がこのことで感じたことはネットのスピードに既存メディアがついてこれないのはこういうところかも明らかだなぁということ。たぶん、出版関係者としては、これでも一所懸命早い対応だったのだろうが、それでも約1か月はかかってしまう。もっと早い雑誌や新聞でもネットのスピードにはついていけないのだから、流行を追うような速報性的なものは向いていないわけで、こういう時代になってからの対応はますます厳しさを増すだろうと思いつつ、今回はここまで。
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