今回は一枚の写真のコーナー。タイトルに示したように、今回はこれ。
昭和8年(1933年)9月28日に、伊勢丹新宿本店が現在と同じ場所(ゼンリンの電子地図で示すとここ)にオープンするが、この時に作成された記念絵はがきの1枚がこれである(おそらく撮影場所は、三越新宿店の上層階あるいは屋上からと思われる)。写真右側に見える道路が現在の新宿通りで、白く輝く伊勢丹の建物の右側(新宿三丁目交差点に面する)には、まだ伊勢丹に合併される前のほてい屋百貨店のビルである。
そして、伊勢丹の手前には電車のようなものが見えるが実際電車であり、これは東京市電(のちの東京都電)の新宿車庫で、さらにその手前のビル(屋上で何か遊んでいるようにも見える人がいるビル)が東京市電新宿営業所なのである。ちなみに、新宿営業所も車庫も太平洋戦争末期の米軍による空襲によって灰燼となるが、伊勢丹新宿本店は鉄筋コンクリート造だったことに加え、運がよかった?ためか、焼け残り現在に至っている。なお、新宿営業所も新宿車庫も、そして伊勢丹との間の道路も、今では伊勢丹本館に一体化されている(すべてではない。ということで、写真に見える伊勢丹は現在の伊勢丹本館の半分未満)。
新宿は変貌著しい街であるのだが、伊勢丹新宿本店の存在はそれだけではない何かを感じさせてくれる。そんなことを思いつつ、今回はここまで。
昭和モダニズムの代表的な建物として保護されることに成ったと聞いて安心しています。兄が早稲田に行っていた関係で中村屋のカレーライスを食べに行ったり伊勢丹を覗いたりしましたが、戦後は何か独特のファッション感覚を楽しめる場所として子供を連れて良く買い物に行きました。三越とは異なる洗練されたセンスの良さが好まれたのでしょう。創業者の小菅丹治氏は父と同じ神奈川県で、菩提寺も一緒です。今川橋の当時から呉服店として常に新しいセンスで売上げを伸ばしたと聞いております。
投稿情報: 木造院電車両マニア | 2010/11/06 20:48