珍しい光景を街角に見た。
ここは、東京都世田谷区奥沢二丁目26番。このような住居表示板は、珍しいものでも何でもないが(住居表示未実施地域ではそうではないが)面白いのはその隣に住居表示前の町名番地が記載されているプレートがそのまま残されていることにある。しかもこのプレート、奥沢交和会と記されているように町会(町内会、自治会)がかかわっていると思われる点も注目である。
玉川奥沢町一丁目から奥沢二丁目へと町名変更した程度の変更(奥沢が残っている)ならまだしも、都心部では町名ジェノサイドというような住居表示がなされ、今更のように旧町名案内図を掲示する本末転倒的な例も見られる。それを思い起こすと、このようなささやかなものかもしれないが、現旧の町名が並んでいる街角が素晴らしいものだと感じた次第。そんなことを考えつつ、今回はここまで。
町名ジェノサイドと言えば大阪南の歴史的な町名の多くがターミネイとされています。
例えば、順慶町、笠屋町、周防町等それぞれ歴史的な香りを残すものを不動産の価値を高めるために変更するとは情けない限りです。京都ではさすがに伝統を守っています。もっとも京都にとっては観光資源とも言えなくもありませんが。
投稿情報: 木造院電車両マニア | 2010/10/14 08:15
木造院電車両マニア様、コメントありがとうございます。
京都(旧市内)はいいですね。悪しき住居表示制度の荒波にながされることなく、わかりやすさという文化破壊に耐えているその姿は素晴らしいと。
毎年(公私とも)のように京都には出かけますが、東京とはひと味もふた味も違うところを楽しんでいます。もっとも不動産(マンション名など)には、センスを疑うぶちこわしの命名もあったりして、苦笑いも同時に楽しんでいますが…。
投稿情報: XWIN II | 2010/10/16 10:07
ご説の通り、時流に流されず文化を保存しようとする市民の強い意志が現在の京都を構成しているものと思いますが、他方で京セラのように模倣を排除して新技術を開発する京都の企業の原動力も同根であると思います。
投稿情報: 木造院電車両マニア | 2010/10/16 23:37