現在、世界最長の鉄道トンネルは我が国の本州と北海道をつなぐ青函トンネル(53.9キロメートル)だが、いよいよこれを追い抜く新たなトンネルが貫通間近とのことである。そのトンネルとは──
スイス南部で建設中のゴッタルド基底トンネル(Gottard Base Tunnel)で、アルプス山脈の下をぶち抜く壮大なものである。上図に概要を示すが、100年以上前に開通したゴッタルド鉄道トンネルと平行(平行線という意味ではない)しており、この区間を強化するためのトンネルであることがわかるだろう。
このゴッタルド基底トンネル。エルストフェルト(Erstfeld)~セードルン(Sedrun)~ボーディオ(Bodio)間は、実に57キロメートルと世界最長の鉄道トンネルとなり、欧州では英仏海峡の下を通るトンネルももちろん越えることになる。
このトンネルが開通すれば、高速鉄道を利用でチューリッヒからミラノまでが2時間40分。東京~大阪間を新幹線で移動するくらいの時間で行けるようになる。現在は最速でも3時間40分かかるので、実に1時間もの短縮となるのだ。
とはいえ、近いうち(今月15日予定)に本坑が貫通するだけで、鉄道が開通するまでにはまだまだ時間がかかる(2016年予定とのこと)ので、今後欧州に出かけるときはこれも織り込み済みとしておきたい。そんなことを思いつつ、今回はここまで。
情報有り難う御座います。半世紀前の清水トンネルのようなループ線で車窓からの景色を満喫したTICINO特急での旅行を思い出しました。日本とは異なり古生代の岩盤の地層を掘削するこのスイスドイツ語圏とイタリア語圏を結ぶ最短ルートの完成で大幅な時間短縮が可能と成りますが、小生の年齢での6年先の海外旅行はかなり困難です。
投稿情報: 木造院電車両マニア | 2010/10/12 10:15
木造院電車両マニア様、コメントありがとうございます。
世界最長鉄道トンネルも無事に貫通したようですが、これから様々な付随工事を伴うことからまだまだですね。
我が国内に目を転じて、それより先の話ですがリニアも長大なトンネル工事を伴うことから、世界最長トンネルの行方は混沌としているように思います。
また、可能・不可能の議論はありますが、かつて我が国の鉄道技術陣は朝鮮半島に到達する海底トンネルを構想していたと聞き及んでもおりますので、世界最長の称号が失われたのを残念に思っているのです。
(だからこそblogで採り上げてみたわけです。)
投稿情報: XWIN II | 2010/10/16 09:55
対馬海峡のトンネルが完成し、京義線が開通すれば、シベリヤ経由で東京からパリの北停車場迄連結されることに成りますが、海底トンネルのみならず北朝鮮のインフラにまだ問題があるので私の生きている間に開通は絶望的ですね(笑い)。
投稿情報: 木造院電車両マニア | 2010/11/10 09:39