今大会は興南高校の春夏連覇、沖縄県勢初優勝で幕を閉じた。今回も大会期間中は仕事中でもあったので甲子園観戦ができなかったのはもちろん、TV観戦も土日中心であったので、まったく多くを観戦していない中での印象ではあるが、開会式後の第一戦「九州学院(熊本)VS 松本工(長野)」は14-1と二桁得点。そして夏二連覇を狙った中京大中京は21点も取られ、昨日の決勝戦も一気に7点を取り13-1というスコア。そう、二桁得点や1イニングでの大量得点が目立つ大会という感じが強いのだ。実際、1チームが二桁得点をあげた試合を開幕から列挙すると、
- 九州学院(熊本)14 ― 1 松本工(長野)
- 北大津(滋賀)11 ― 4 常葉橘(静岡)
- 遊学館(石川)11 ― 0 一関学院(岩手)
- 東海大相模(神奈川)10 ― 5 水城(茨城)
- 土岐商(岐阜)15 ― 2 八頭(鳥取)
- 鹿児島実(鹿児島)15 ― 0 能代商(秋田)
- 成田(千葉)10 ― 2 八戸工大一(青森)
- 関東一(東東京)11 ― 4 遊学館(石川)
- 早稲田実(西東京)21 ― 6 中京大中京(愛知)
- 仙台育英(宮城)10 ― 7 延岡学園(宮崎)
- 関東一(東東京)10 ― 6 早稲田実(西東京)
- 報徳学園(兵庫)13 ― 5 佐賀学園(佐賀)
- 興南(沖縄)10 ― 3 聖光学院(福島)
- 東海大相模(神奈川)10 ― 3 九州学院(熊本)
- 東海大相模(神奈川)11 ― 7 成田(千葉)
- 興南(沖縄)13 ― 1 東海大相模(神奈川)
というように、実に16試合。全48試合中なので、3分の1が二桁得点試合であり、過去3回の大会を見ても、前回(91回)が8試合、前々回(90回記念大会なので参加校多い=試合数も多い)が11試合、その前(89回)が6試合であるので、やはり本大会の印象は「二桁得点」といっても過言ではないだろう。
二桁得点をあげた16チームのうち、決勝まで進んだ東海大相模(神奈川)は何と3試合も二桁得点をあげているが、一方で昨日の決勝戦では13失点と散々だった。優勝した興南(沖縄)、そして関東一(東東京)も2試合で二桁得点なので、実質11校が二桁得点をあげたチームとなるだろう。
東海大相模(神奈川)と同様に、九州学院(熊本)、遊学館(石川)、成田(千葉)、早稲田実(西東京)は、二桁得点をあげて勝利しただけでなく二桁失点を許して敗戦した。野球の「流れ」の怖さというべきか。私がTV観戦した中で印象が強いのは、やはり「早稲田実(西東京)VS 中京大中京(愛知)」で、初回の7点はもちろん、5回の12点をあげた攻撃・守備が印象深い。12点をあげたイニングは、早実の5番バッター土屋君が1イニング2三振と振るわなかった(振ったが振るわなかったというのも変だが)以外は、他はまったくアウトになるような感触がなく(エラーも出たし)、3アウト目のライトライナーも右翼手の小木曽君のファインプレーがなければ、13点目が入っていたという「流れ」だった。TVを通してなのであてにならないが、「流れ」が変わったのは、12点を失った後、投手が森本君から竹内君に代わったからだと思う。これで早実の攻撃が止まったが、再度、監督の温情?からかエース森本君が9回に再登板したところ、早実打線は再び目を覚まし2点を追加した。結果が21点だが、得点をあげたイニングは初回の7点、5回の12点、9回の2点。何とも「流れ」を意識しないわけにはいかない。
昨日の決勝戦も東海大相模の一二三投手が7点を失った回。私はNHKではなく朝日放送(BS朝日)の中継をTV観戦していたが、高校野球監督の大ベテランである横浜高校の渡辺監督や帝京高校の前田監督が「流れ」を変える、「頭」を冷やす(冷静に)などと、ベンチワークによって対応するように盛んにお話しされていたが私も同感で、「流れ」を変えるために、投手を孤独にしない、間を取る、リズムを変えるなどをすべきだったのでは、と思う。もっとも現場は現場の考え方があるのも確かなので、必ずしもそんなことをする必要はないのかもしれないが、大量得点(失点)のシーンを見る限り、そういうところを考えさせられてしまうのである。
二桁得点の試合が多いのは、チーム力格差ではなく、それだけ「流れ」に関して無策であるからなのか、打撃力向上しているからなのか。間違いなく言えることは、また夏のお楽しみが一つなくなってしまったこと(笑)。そんなことを考えつつ、今回はここまで。
終わりましたね。甲子園。
毎年、高校野球が終わると、そろそろ夏も終わり……て感じになるんですが。
今年は本日も35度超えるかも?みたいな。
何だか、体がくたびれております。
そんな中、沖縄、元気でしたね。
試合内容とは異なってしまうのですが、昨日の沖縄興南高校で、改めて思ったのは。
「沖縄の方の姓って、やっぱりチガウなぁ~」ということ。
島袋は、まあいいとして。
我如古
真栄平
銘苅
慶田城
う~ん (ーー;)
もっとも、東海大相模の「一二三」という名字も、名前としては聞いたことあるけど、名字は珍しいかも。
全国から選手が集まる分、名字も全国から集まるって感じがしますね。
投稿情報: りっこ | 2010/08/22 09:33
一般的に甲子園で勝ち抜くチームは、甲子園で“使い物になる”ピッチャーが何名か交代登板させます。
が
私は千葉県民なのでちゃんとみたのは千葉絡みの試合だけですが、ベスト4になった成田も準優勝の東海大相模も、前者は中川、後者は一二三が投げ抜いていました。
常識的に考えて「崩れた」状態でも二枚目三枚目のピッチャーを投入せずに闘っていたところを見ると、使えるピッチャーがいなかった、と言うことでしょう。
詰まるところ、最後の方まで勝ち抜いた両チーム≒多数の試合を行ったチームは、主戦力にして唯一のピッチャーが終盤戦は摩滅し、次第に乱打戦になっていった傾向と合致しています。
従って、上記のうち下から三試合は、打撃力の向上や投手力の低下ではなく、ピッチャー個人の疲労がそのまま失点に繋がっていた点も看過できないと思います。
全般的に見ると仰るとおりの傾向はあるのかもしれませんが、特段強烈な変化ではなく、各チームの投手起用がそれに拍車を掛けたのでしょう。
投稿情報: 夢望騎士 | 2010/08/22 22:27
コメントありがとうございます。
複数投手の起用法、というのは大きな要素ですが、やたら多くいるよりは二本柱くらいがいいのかな、とも。中京大中京は、早実戦でエースでない投手を先発させていきなり7失点。エースでない投手で失敗すると「士気」に大きな影響を及ぼすので、エース不在のリスクよりもエース酷使のリスクを取ってしまうのだろうなぁ、と思うところです。
現在ベンチ入枠は18人と大きく増え、酷使しないような対応は採られているものの、「勝負」優先である以上は、やむを得ないのかなとも思ったり。難しいところです。
投稿情報: XWIN II | 2010/08/24 07:26