昨晩、一報が入り、今朝になって死亡者が出てしまったと伝えられているスイス観光でも人気の高い氷河急行(氷河特急という表記もあるが、きっとどちらの日本語表記にも理由があるのだろう。当Blogではとりあえず氷河急行としておく)。こういっては失礼だが、インドや中国などの鉄道事故なら驚かないが、まさか鉄道大国のスイスでこのような事故が起こるとは…。
地元 SCHWEIZER FERNSEHEN TAGESSCHAUの「Glacier Express entgleist - Suche nach der Ursache」に詳しい記事(リンク先はドイツ語)が出ているが、Expressと名乗るものの、この観光列車は約270kmほどの区間を約8時間もかけて走行することからもわかるように、それほどスピードを出して走る列車ではない。にもかかわらず、このような脱線事故が起こってしまった理由は何か。これからの究明が待たれるところだろう。
思い起こせば、私もこの氷河急行はツェルマットからアンデルマットまで乗ったことがあるのだった(終点まで行かなかったのは、そこからチューリッヒ方面に向かうために乗り換えたのだ)。その際、有名な「傾いたワイングラス」を車内で買い求めたことを思い出し、食器棚の奥で眠っていたものを引っ張り出し、思い出を思い起こしつつ、今回の事故現場を見て「やっぱり旅行先ではしっかり保険に入っておかないといかんなぁ」と実感した(言うまでもなく、医療保険は海外では海外向けのものに入っておく必要がある)。
そしてもう一つ。お亡くなりになった方は64歳の女性とのこと(日本時間7月24日午前9時現在の情報)だが、それ以外のツアー客の多くも大半が高齢者(何歳から高齢者と呼ぶのかは意見が分かれるが、私的には60歳以上と認識)だという。この時期、を思えば多くが余裕のある人たちが巻き込まれたのかな。
手堅い経営で定評があるスイスの鉃道で観光のために速度を落とした列車が脱線するなど全く予測が付かない事故が起こるものである。考えられる原因としては車軸が破損したかタイヤが外れたか以外考えられません。スイスが発祥であるボルスタレス台車の近年日本でも東急の中目黒や横浜駅の脱線事故が頭に浮かびました。調査報告が待たれます。
投稿情報: 木造院電車両マニア | 2010/07/24 18:25
今朝の新聞で専門家は中目黒の低速曲線せり上がり脱線との類似性を指摘しています。もしそうであれば究明に時間が掛かるかもしれません。何れにしても日本では新車から一世紀以上まえに発明されたボルスタを再度採用するとのこのですのでボルスタレスに当局は疑いを持っているのでしょう。軽量化一本槍から軌道修正しているようです。
投稿情報: 木造院電車両マニア | 2010/07/25 10:58
XWIN IIさま
僕もこの氷河特急、新婚旅行の時に乗ったことあるので驚いてます。
クールからアンデルマットまで行きました。
そこからは、ユングフラウ地方に抜けました。
傾いたグラスも購入しました(^^)。
Expressが特急って、ちょっと変ですよね(笑)。
投稿情報: NAKAP | 2010/07/25 14:13
コメントありがとうございます。
>ボルスタレスに当局は疑いを持っているのでしょう。
↑
軽量化を推進していた東急電鉄もあの事故以来、変わってきたみたいです。阪急電鉄のような質実剛健な設計態度を採っていただきたいと思いますね。
>Expressが特急って、ちょっと変ですよね(笑)。
↑
そうなんですが、みんな(大手マスコミ)特急といってるんですね。
投稿情報: XWIN II | 2010/07/26 07:12
XWIN II様
コメント有り難う御座います。阪急の経営姿勢は小林一三以来首尾一貫していますね。東急でもカーブには護輪軌条を設けています。本日の日本の新聞で原因究明を待つこと無く25日に運転を再開たと報じています。日本人のようにヒステリックに反応しない所は流石に大人ですね。スイスの新聞(フランス語)24時間の記事によれば鉃道会社のスポークスマンは、日本人の旅行者のキャンセルはあまり無く、何故運転再開を急いだかという問いに対して、フランス語の表現では月並みに観光シーズンであるからと回答したと言うことです。日本だったら役員が60度に頭を下げて陳謝する所でしょう。国民性の違いでしょうか?
投稿情報: 木造院電車両マニア | 2010/07/26 08:38
追加コメント
新聞報道によると展望車に乗客が集中したのも原因の一つであると言われていますが、あらためて資料を見るとメーターゲージであるとのことですので写真を見たときは日本と同じ狭軌のように見えましたがそれより6CM7MM狭いことになりますので、後ろから振り切られている状況からみても注目に値すると思います。メーターゲージは山岳地帯の建設費を節約するためと思いますが、インドシナ半島で広く採用されています。
しかし近年ベトナムの南北縦断鉃道やバンコクとシンガポール間で標準ゲージの高速鉃道が進行中です。昆明と老口の間にまがだメーターゲージが残っているようですが現況は知りません。
投稿情報: 木造院電車両マニア | 2010/07/26 10:10
木造院電車両マニア様、コメントありがとうございます。
仰せの通り「大人の対応」であることに、私も我が国でもこうあってほしいと思いますね。遺族を責めることはできませんが、あのコメント(運行再開が残念みたいな言い方)は「だだっ子のわがまま」にしか聞こえません。情けなく思いました。文化の違いと言ってしまえばそれまでなんでしょうが、他国でコメントしているわけなので、そういう状況を…。まぁいきなり母親を失ったのだから求めるのも無理がありますか。
メーターゲージ(1000mm)については、これも仰せの通り1067mmとあまりかわらないので、67mmがどう影響しているのか。ただ、間違いなく言えることはこれまで運行していてどうだったのか(前ぶれとかは?)という点です。この手の事故は突発的に起こるものではないので、運転手などからの事情聴取に注目しているのですが、もう我が国では報道されないような気がします。
投稿情報: XWIN II | 2010/07/29 07:02
不可抗力(FORCE MAJEURE)や昔のロイドの運送保険証券に記載されているACT OF GODのように長い海上通商の歴史を有するヨーロッパでは、運送業者に過大な責任を負わせることがコストアップにつながるというこがベニスの商人ではありませんがよく知られています。一部の旅行者がバスに切り替えたとのことですが、私的見解ですが損保算定協会に問い合わせた訳ではありませんが、リスクはむしろ増大します。
中目黒の事故のように脱線するとレールも破壊されますので原因の特定は困難です.日本でも迷宮入りとなりました。私的な意見ですが、東急の横浜駅での直線部分での原因不明な脱線事故を考察してみると、必要以上にふわふわするスプリングにも問題があると思います。
投稿情報: 木造院電車両マニア | 2010/07/30 09:39