というわけで、「史学概論」(著者:遅塚忠躬、発行:東京大学出版会)を読み始めているが、現時点では第1章を読了したところ。全体の4分の1程度でまだまだ入り口に過ぎないが、なるほどと思うことが多く、じっくり腰を据えて読んでいるところである。
なんでこのような本を読もうと思ったのか。それにはやはり理由がある。その大きなものは、
地域歴史研究を行う中、その史料についての扱い、読み方などを深く知る必要があるのではないかという認識を持ったため。こう思ったのは、他書(ファン向けの書籍等)の史料の引用の仕方があんまり(ひどすぎ。何でこうとしか読み取れないのだろうと実史料を見て感ずることが多い)で、自分自身もこういう過ちに陥らないようにしなければ。
というものである。他にも、PCやWindowsの歴史(のようなもの)をかつて書いた経験として、どう記述した方がいいだろうか的なこともあったりして、読んでみようと思った次第。
では、目次を確認しつつ、本書の概要らしきものを示そう。
はしがき
序論
第1章 歴史学の目的
第1節 歴史学の目的の三区分
第2節 三様の歴史学の相違点と相互関係
第3節 歴史学の目的と効用
第2章 歴史学の対象とその認識
第1節 人類の過去と文化
第2節 事実についての予備的考察
第3節 事実の種類とそれぞれの性質
第4節 史料による事実の確認と復元
第5節 事実認識についての学界の論議
第6節 事実認識の可能性と限界
第3章 歴史学の境界
第1節 歴史学とその周辺
第2節 歴史学と隣接諸科学
第3節 歴史的世界における事実と真実
第4節 歴史学と文学
第4章 歴史認識の基本的性格
第1節 歴史学の主観性と客観性
第2節 歴史認識の蓋然性と歴史の趨勢
第3節 歴史における因果関係と因果的必然性
第4節 歴史における偶然性と自由意志
第5節 歴史における相互連関の円環構造
第6節 歴史学の社会的責任
むすび ソフトな科学としての歴史学、およびその後
といった感じで、何だか目次からの印象だが、量子力学の初歩を学んでいくようなイメージ(コペンハーゲン解釈とか)である。まぁ、これもすべて読了すれば、また感想が変わってくるだろう。といったところで、今回はここまで。
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