かつて、PCのBIOSアップデートは「儀式」さながらのものだった。ROMライタを用意して、BIOS ROMを焼き直し、それを取り付ける。動くか動かないかは「運」というものも大きな要素だった。
しばらくして、Flash ROMが採用されるようになってROMライタは無用のものとなり、ROMチップをマザーボードから取り外す必要もなくなったことで、BIOSアップデートは簡単なものになった。だが、かつてのBIOSアップデートを知らないユーザにとってはまだまだ敷居の高いものだった。
さらに、DOSからWindowsの時代に入り、BIOSアップデートをリアルモードで実行するということが一般ユーザへの敷居の高さを相対的に高くしていた(DOSを必要としていたWindows 3.x時代やそれ以前においても、我が国では日本語FEPを使うため等の理由から、DOSがリアルモードで動作していないことが多かったので、BIOSアップデートに失敗するユーザも多かったのだが)。徐々に簡単になっていったBIOSアップデートだが、それ以上にユーザの広がりから結果としてどんどん難しくなっていったと言えるだろう。
だが、今はWindowsが動作していてもBIOSアップデートが可能になった。BIOSアップデートがうまくいかない理由も、Admin権限がないとできないというまったく意味合いの異なる理由となり、本当に簡単な時代になったものだとBIOSアップデートをするたびに思う古老気分を味わっている(笑)。
さて、前振りはともかく今朝(12日)もVAIO Zを使っていると、VAIO Updateの情報からBIOSアップデートができるとの情報を得た。どんな内容なのか。人によってはいきなりダウンロードしてアップデートするかもしれないが、私はやるにしても内容を確認しないと気になって仕方がないので、まず改訂内容を見る。すると、
このように「VAIOアップデートプログラム」として書かれているが、問題はその年月日である。2010年6月17日!? そうなのだ。これは未来のBIOSアップデートなのである(苦笑)。しかも、これは私が勝手にURLを指定してまだリンクされていないWebページを除いたとかのものではなく、正規のVAIO Updateの指示に従った結果なのだ。
この時、私はこう思った。このWebサイトは本当にSONYの、VAIOの正式なものなのだろうか? と。些細な日付の打ち間違いの可能性などを否定はできないが、たかがこれだけのことでこのような疑いをもたれてもしかたあるまい。しかもアップデートの内容が、
「BIOSパスワードの処理を変更しました。」という1項目だけ。本当にこれ、アップデートして大丈夫なのか、とか、たかがこれだけのもので怪しげなアップデートをしていいものか。などと余計なことを考えつつも、
結局は、VAIO Updateの指示に従ってアップデートしたりする。変更される機能が大したことない割には、新しいバージョンがいきなり2に上がっているのもアヤしい。本当はもっと別の部分がこっそりアップデートされているのではないだろうかと、さらに疑いつつもアップデートをした。
ということで、BIOSアップデートの報告をしつつ、今回はここまで。
コメント