Microsoft社は、ひっそりと「Windows Server Division WebLog」内の「Windows Server 2008 R2 to Phase Out Itanium」というエントリーにおいて、Itanium(IA-64)のサポートを現行製品=Windows Server 2008 R2で終了すると発表した。Windows Server 2008 R2は64-bit版しか存在しないが、いわゆるx64(AMD64及びIntel64)とIA-64の二つをサポートしていた。しかし、同じ64-bitアーキテクチャではあるが、まったく異なるアーキテクチャをサポートするメリットはなく、建前上、ミッションクリティカルな分野ではItaniumが優れているというものも薄れつつ、いや、もうなくなりつつあるだろう。とどのつまり、64-bitプロセッサという希少価値(つまり、IA-64=64-bit)は、x64プロセッサが当たり前のようになった今日、もう存在価値はなくなったとMicrosoft社は考えたのだ。
Intel社は、建前上、Itaniumの強化は行っていくだろう。しかし、そのペースが鈍化しているのは否めない。64-bitプロセッサは、もちろんx64以外にもPowerPC等、いくつかのアーキテクチャは残っているが、主力はx64であることは社内はともかく社外では自明である。Itanium 9300も出るには出たが、Xeon 7500と比べてしまうと…。さらには、Intel社以外にもAMD社Opteronの存在も忘れてはならない。
IA-64への移行は、既に成功したとは言い難い、いや失敗したと言っていいだろうが、公式にはまだそうなっていない。しかし、かつてはWintelと言われたようにIntel社のプロセッサをMicrosoft社のOSがサポートするという基本形が、IA-64については失われることになる。もっとも、Microsoft社はIA-64にそもそも懐疑的であって、Intel社のライバルであるAMD社の64-bit拡張技術、結果的にAMD64となったものを積極的にサポートし、登場後にはすぐさま対応OSをリリースした。このことが、すべてを物語っているのである。
とりあえず、今回はここまでにするが、近いうちにIA-64の歴史でも語ってみようか。
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